入居前の状況
父の介護は、主に私が担っていました。だんだんと足のむくみがひどくなり、ほとんど動けなくなってしまったんです。そうなると、お風呂に入れるのも一苦労で…。それに加えて、家の中のあちこちで失禁してしまうようになり、私が仕事で昼間家を空けて帰ってくると、大変な状態になっていることもしばしばでした。
そんな状況が続くうちに、父もイライラが募るようになったのか、その矛先が私に向くようになりました。ご飯を食べてくれなくなったりすることもあって。私自身も、精神的に追い詰められてしまって、「このままではおかしくなってしまう」と感じるほどでした。
施設探しを始めたきっかけ
父の介護と仕事の両立、そして日に日に増していく精神的な負担…。正直、もう限界でした。私が壊れてしまったら困るねと、息子と相談したんです。「私が精神的におかしくなってしまう前に、施設にお願いすることも考えた方が良いのではないか」と。それが、施設探しを具体的に考え始めたきっかけです。
入居決断時の葛藤・罪悪感
もちろん、最初からすんなり事が進んだわけではありません。父自身、施設に入るということには強い抵抗感を示していました。納得してもらうまでには、何度も話し合いを重ねる必要がありました。
正直なところ、私の中にも「施設に入れるなんて、かわいそうなのではないか」という気持ちはありました。でも、その時の私たちの状況や、父の安全、そして私自身の心身の健康を考えると、専門の方々のお力を借りるのが最善の選択なのではないか、と思い定めるに至りました。
見学時の施設に対する不安
見学に行く前は、いくつかの不安がありました。父は家でかなり自由に過ごしていたので、わがままな面や自分勝手なところもあり、他の入居者の方たちと上手くやっていけるだろうか、という心配がまず一つ。
それから、やはり費用のことですね。見学した際に、例えば行事がたくさんあるような施設だと、その分お金もかかりそうだな、と感じたり。施設の雰囲気についても、あまりよくないな…という施設もあったので。でも、もう私自身の精神状態もギリギリのところまで来ていたので、「どうしよう…」と本当に切羽詰まっていました。