入居前の状況
父が亡くなるまでは、二人でなんとか補い合って暮らしていたんだと思います。もともと母は整理整頓とか冷蔵庫の管理が苦手で、物忘れもありましたけど、父がいなくなって一人になると、そういうのが余計に目立ってきちゃって。膝も痛めていたので、買い物なんかも私が付き添っていました。
施設探しを始めたきっかけ
週に2回はデイサービスも利用していたんですが、決定的だったのは、薬の飲み忘れが原因で体調を崩して、救急車を呼んだことですね。夜中に救急隊の方にも鍵を開けるのに苦労をかけたみたいだし、ご近所にも迷惑をかけてしまって…。これはもう一人で暮らすのは難しいな、って痛感しました。それで施設を探し始めたんです。
入居決断時の葛藤・罪悪感
施設を探し始めた頃は正直、「まだ家で頑張れるんじゃないか」、「私がもっと頑張れば…」という気持ちと、「もう限界かな」という気持ちの間で揺れていましたね。兄弟にも相談して、「大変なら施設を探したらいいんじゃないか」とは言われたものの、いざ探し始めると、「いや、まだ早いかな」なんて思ったりもして…。
母自身も抵抗があって、「私を老人ホームに入れるんか」と言われました。昔の人だから、どこかの子供の家に…っていう気持ちがあったのかもしれません。実際に私の主人とか妹の主人に、私が施設に入ることをどう思う?なんて電話で聞いていたみたいです。私は母に、一人で生活していく自信はあるの?今は私がいるから二人三脚でなんとかなってるけど…と話して、最終的には納得してくれたんですけどね。
見学時の施設に対する不安
見学した施設は築3年くらいでとても綺麗で、特に不安はなかったんです。ただ、個室が並んでいてすごく静かだったので、「みんな部屋に入っちゃったら他の人との交流は少ないのかな」とは少し思いました。