入居前の状況
実は、この施設は父が勝手に決めてきたんです。私たちは元々、もし施設にお世話になるなら、介護サービスがしっかりしている介護付きの施設がいいと考えていて、住宅型はあまり考えていませんでした。でも父は、「自分の家から近いから」という理由だけで、私たち家族に何の相談もなく契約してしまったんです。本当に頑固な父で、一度言い出したら聞かない人でしたから、私たちは事後報告を受ける形で、後から知ることになりました。
母については、父が亡くなった後から状況が変わりました。認知症の症状である徘徊が見られるようになり、それまで入居していたこの住宅型の施設では、見守りが不十分だと強く感じるようになったんです。そこで、特別養護老人ホーム(特養)を探し始めました。
入居決断時の葛藤・罪悪感
父の入居に関しては、正直なところ、初めは全く賛成していませんでした。「住宅型だから、介護が必要になった時に不安だ」と父にも伝えていたんです。でも、父自身がもう契約してしまっていたので、どうすることもできませんでした。契約の場には私も同席しましたが、本当に判を押しに行っただけ、という感じでしたね。本人が入るのだから、本人が納得しているのであれば仕方ないかと、ある意味諦めの気持ちでした。
私たちはもともと、もし施設に入居するなら、介護サービスがより充実している介護付きの施設が良いと考えていました。しかし父は、自宅から近いという利便性だけを理由に、この住宅型老人ホームを選び、私たち家族に何の相談もなく一方的に契約してしまったのです。
父は昔から非常に頑固な性格で、一度こうと決めたらなかなか人の意見を聞き入れるようなタイプではありませんでした。そのため、私たちは事後報告を受ける形でこの施設の存在を知り、契約の手続きの際に初めて施設を訪れたというのが実情です。本人が決めたことだからと、ある意味では諦めに近い気持ちで、父の入居を見守るしかありませんでした。
見学時の施設に対する不安
きちんとした見学は、実はしていないんです。先ほどお話しした通り、父が全て契約を済ませてしまっていたので、契約の手続きのために施設を訪れたのが初めてでした。ですから、入居前に施設に対して何か特別な不安を感じるという段階ではありませんでした。