入居前の状況
母は入居当時85歳で、要介護2の認定を受けていました。一人暮らしをしていましたが、少しずつ認知症の症状が見られるようになっていました。特に困ったのは、他の人にはそうでもないのに、なぜか私に対してだけ暴言を吐くようになってしまったことです。
「外部の方には一切そういうことはないんですけど、娘にだけっていうことで…」
その状況をケアマネージャーさんに相談したところ、「一度専門の病院で診てもらった方が良いのではないか」とアドバイスを受け、緊急入院することになりました。入院したのは精神科の病院でした。
入院生活は、想像以上に大変でした。精神科という特性上、面会も厳しく制限されていて、母と会えるのは1回に5分か10分程度。しかも、病室まで行くことはできず、降りてきてもらっての面会でした。
さらに、病院のスタッフの方々は皆さんお忙しいようで、担当の方が変わるたびに情報がきちんと伝わっていなかったり、退院の際の手続きもスムーズでなかったりと、正直なところ不満を感じることもありました。
施設探しを始めたきっかけ
そんな中、病院からは「もう長くは入院していられない」と退院を促されるようになりました。
「病院自体も嫌だったし、このまま母を自宅で一人にさせておくわけにもいかない。もし今後、長期的に誰かの助けが必要になるのなら、しっかりとした施設を探さなければ」と、本格的に介護施設を探し始めることになったのです。
入居決断時の葛藤・罪悪感
退院の時期が迫る中、ケアスル介護さんに相談し、いくつかの施設を紹介してもらいました。最初のうちは母も一緒に見学に連れて行ったのですが…。
母は施設に対して強い抵抗感を持っていたようです。どこを見学しても否定的な言葉ばかり。私としては、母に穏やかに過ごしてほしい一心で探しているのに、その気持ちが伝わらないもどかしさがありました。
最終的に、今の施設さんに決める際も、母を説得するのは本当に大変でした。見学は私と主人だけで行き、施設の雰囲気や清潔感、スタッフの方々の対応がとても良かったので、「ここなら」と感じました。
正直なところ、心苦しかったです。
母の意思に反して入居させることへの罪悪感や、「これで本当に良かったのだろうか」という葛藤がなかったわけではありません。でも、当時の状況を考えると、他に選択肢が見当たらなかったのです。
見学時の施設に対する不安
まず感じたのは、施設全体が清潔に保たれていること。そして、すでに入居されている方々が、皆さんとてもにこやかで穏やかな表情をされていたのが印象的でした。
スタッフの方々の対応も丁寧で、こちらの話を親身に聞いてくださいました。もちろん、自宅から少し距離があることは少し気になりましたが、それ以上に施設の雰囲気が気に入りました。