やりたいことをやらせてくれて、自宅のような暮らしができる
この施設の一番の魅力は、父の「したいこと」や「好きなこと」を、できる限り叶えようとしてくれる点です。
例えば、父がふと「コーヒーが飲みたいな」と言えば、スタッフの方がにこやかに用意してくれます。食べたいものがあれば、それもできる限り対応してくださる。それは些細なことかもしれませんが、管理された集団生活の中で忘れられがちな「個人の好み」を大切にしてくれるその姿勢に、父を一人の人間として心から尊重してくれているんだなと感じ、胸が熱くなりました。
ただ身の回りのお世話をするだけでなく、父がその人らしい生活を送れるように支えてくれる。スタッフの方々が本当に良い方ばかりで、そのおかげで父も気兼ねなく、自分らしくいられているんだと思います。
お風呂好きな父のために、柔軟に対応してくれた
父はお風呂が大好きで、それが何よりの楽しみです。施設の入浴は基本的に週2回と決まっているのですが、父がお風呂好きだとお伝えしたところ、なんと特別に週3回に増やしてくれました。
決まりだからと断るのではなく、どうすれば本人の楽しみを実現できるかを一緒に考えてくれる。そんなマニュアル通りではない、一人ひとりに寄り添った臨機応変な対応に、家族として本当に頭が下がる思いです。父にとって、その一日の楽しみが心の張りにもつながっているのだと思います。
また、父はまだ一人で入浴できるのですが、やはり万が一のことを考えると少し心配です。その点もしっかりと汲み取ってくださり、入浴中は必ずスタッフの方が見守っていてくれます。このきめ細やかな「見守り」があるおかげで、私たちも安心して任せることができています。
オープンな環境で家族とつながりやすい
家族が施設と関わりやすい、オープンな環境であることも、本当にありがたい点です。
私は毎週欠かさず父に会いに行っているのですが、面会に事前予約は一切必要ありません。「今日、仕事が早く終わったから少し顔を見に行こう」といったことが気軽にできます。時間帯の制限も緩やかですし、申請すれば外泊も外出も自由。食べ物などの持ち込みもできます。
施設に入ったからといって親子関係が希薄になるのではなく、むしろ会いに行きたい時にいつでも会えるので、以前よりもコミュニケーションが密になったかもしれません。父の部屋を訪ねて、一緒にテレビを見たり、家から持ってきたお菓子を食べたり。そんな何気ない日常が、今も変わらず続いていることが何より嬉しいです。