入居前はどのような状況でしたか?
母は入居当時92歳で、要介護度は4くらいだったと思います。大腸がんを患ってストーマ(人工肛門)をお腹につけていましたし、以前には心筋梗塞や脳梗塞も経験していました。幸い脳梗塞の後遺症はほとんどありませんでしたが、足腰はだんだんと弱くなり、移動には歩行器を使っていましたし、耳も遠くなっていました。
もともとは自宅で一人で暮らしていましたが、脳梗塞で倒れてからは病院での生活が続き、その後のリハビリ施設で大腸がんが見つかり、認知症も急速に進んでしまったのです。心臓の持病もあったので、もし自宅で一人でいる時に発作でも起きたら…と考えると、とても不安でした。専門の方に見ていただいた方が、母も安全に、そして穏やかに過ごせるのではないかと考えるようになりました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを本格的に始めたのは、母がリハビリ施設にいる時に、大腸がんと認知症が相次いで判明したことがきっかけです。特に心臓に持病があったため、自宅で何かあった時のことを考えると、医療的なケアが受けられる環境が不可欠だと感じました。また、足腰が弱ってきていたので、病院への通院もだんだん大変になっていました。
複数の持病を抱え、ストーマのケアも必要、そして認知症の症状もある。こうした状況を総合的に考えたとき、専門のスタッフさんがいて、往診も受けられる施設で安全に暮らしてもらうのが一番良い選択だろうと思い、入居を決意しました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
入居を決めるにあたって、いくつかの施設を見学しました。その中に、まるでホテルのロビーのようにグランドピアノが置かれ、おやつもケーキと紅茶といった、とてもグレードの高い施設があったんです。素晴らしかったのですが、認知症と診断されたばかりの母をそこへ入居させたら、かえって周りの入居者の方にご迷惑をおかけしてしまうのではないか、と逆に申し訳ない気持ちになってしまいました。
母にとって本当に良い場所はどこだろうと考えたとき、豪華さよりも、穏やかに安心して過ごせる環境や、何かあったときにすぐ駆けつけられる距離の方が大切だと思えました。母もきっとその方が喜んでくれるだろうと信じて、今の施設にお願いすることに決めたんです。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学をさせていただいた際に、特に不安に感じることはありませんでした。施設長さんもすごく親切な方で、安心してお話を聞くことができました。