見学時の印象と違わぬ穏やかな暮らし
この施設に決めた一番の理由は、見学の時に感じた印象と、入居後の実際の暮らしにズレがなかったこと、これに尽きるかもしれません。
施設探しというと、何か特別なサービスや豪華な設備に目が行きがちですが、私たちにとっては、自分たちが思い描いていた「これくらいの暮らしだろう」という想定が裏切られなかったことが、何よりの安心材料になりました。
見学の時に「ああ、こんな感じか」と納得し、入居してからもその「こんな感じ」が毎日続いていく。これは当たり前のようで、実はとても大切なことだと思います。派手な驚きや感動はなくても、がっかりすることもない。日々の生活の場として考えた時、この「安定感」こそが、私たちが求めていたものだったのだと今になって感じます。
過度な期待をせず、自分たちの目で見て「これなら大丈夫そうだ」と思えるかどうか。その現実的な視点が、結果的に穏やかな毎日に繋がったのだと思います。
干渉されすぎず、自分たちのペースで過ごせる自由さ
レクリエーションへの参加が強制されないことも、私たち夫婦にとっては大きなポイントでした。施設によっては、毎日びっしりとスケジュールが組まれていて、参加することが半ば義務のようになっている場所もあると聞きます。
もちろん、それが楽しいという方もいらっしゃるでしょう。しかし私たちは、どちらかというと自分たちのペースで、静かに過ごしたいタイプ。妻と二人でのんびりしたり、自分の時間を楽しんだりすることを大切にしたいと考えていました。
その点、この施設は私たちのスタイルに合っていました。集まりたい人は集まる、参加したくない人は無理しなくていい。この「干渉されすぎない」自由な雰囲気が、とても心地よいのです。
職員の方との関係も同様です。必要な時にはしっかりと対応してくれますが、常にべったりというわけではなく、程よい距離感を保ってくれています。こうした「放っておいてくれる」環境が、かえって気楽で、ストレスなく過ごせる理由になっていると感じます。
職員の安定した対応
毎日顔を合わせるスタッフの方々が、いつ話しかけても穏やかで、感じが悪い人がいない。これは、介護施設という環境において、何よりも得がたいことではないでしょうか。
特別な親切を毎日求めると、お互いに疲れてしまうかもしれません。それよりも、いつ、どんな時でも「当たり前に」丁寧で、「当たり前に」嫌な顔ひとつせず対応してくれる。そんな安定したサービスの質が、長期的に暮らしていく上での大きな安心感に繋がっています。
日々の暮らしは、特別なイベントの連続ではありません。挨拶を交わし、必要なことをお願いし、それに対してきちんと応えてもらえる。そんな「当たり前」がしっかりと守られているからこそ、私たちは心穏やかに毎日を過ごすことができています。