入居前はどのような状況でしたか?
当時は私と父、そして母の3人で同居していました。私が娘として2人の面倒を見なければならなかったのですが、母も高齢ですし、父の世話が本当に大変になってしまって。家だと車椅子が使えず、キャスターが付いている椅子に父を乗せてお手洗いに移動させていました。父はだんだん足がダメになっていって、入所の直前はもうほとんど歩行は不可能という感じでしたね。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
何よりお風呂がものすごく大変でした。一度バスタブに入ったら出られなくなってしまって…。家庭のお風呂は広くないので、これはプロに頼まないと一生バスタブから出られなくなるというような状況でした。結局、看護師さんやケアマネさんにも来てもらっていましたが、24時間いてくれるわけではありません。
寝ている間に夜中に2、3度起こされることもあって、「これじゃあ自分の人生を生きていないぞ」と。それから介護をしているうちに私自身がぎっくり腰になってしまい、もう「これは無理だ」と思いました。正直、家出したいなと思ったり、先に死んだほうが楽だなと思いつめるほど、地獄のような毎日でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
父はなかなか施設に行きたがらなくて、そこは本当に苦労しました。母も父の様子を見て躊躇してしまって、説得がなかなか進まなかったんです。住み慣れた家がいいという父の気持ちも分かるのですが、それは自立できての話であって…。自分たちだけでやるしかないけれど、誰も助けてはくれない。ニュースで見る「介護殺人」という言葉が、本当によく分かるなと思うほど追い詰められた末の決断でした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
ケアマネさんに相談して紹介業者の方に3つほど施設に連れて行ってもらいました。
「わじろの郷」に決めたのは、父がもともと福岡和白病院にかかっていたので、連携が取れていていいかなと思ったからです。ちょうどタイミングよく空きがあったことも大きかったです。もし空いていなければ、別のところに行っていたと思います。