入居前の状況
両親は二人で自宅で暮らしていましたが、二人とも認知症を抱えており、日常生活に支障が出始めていました。特に心配だったのは火の元の管理です。薬の飲み忘れも日常茶飯事で、水道の出しっぱなしや電気の消し忘れも多く、光熱費が家計を圧迫するほどでした。父の場合は、それに加えて暴言を吐いたり、目的もなく家の中を歩き回ったりといった行動が目立ち、在宅での介護は心身ともに限界に近い状態でした。
当時は巡回ヘルパーさんの力も借りていましたが、基本的には私が中心となって両親の身の回りの世話をしていました。兄弟もおりますが、それぞれ事情があり、私が主に介護を担わざるを得ない状況だったのです
施設探しを始めたきっかけ
やはり、両親ともに認知症の症状が徐々に進んできたことが、施設探しを考える直接的なきっかけでした。日々の生活の中での様々な問題に加え、コロナ禍という未曾有の事態が追い打ちをかけました。もし両親のどちらかがコロナウイルスに感染してしまったら、家族であっても付き添うことができず、高齢の二人だけで隔離生活を送らなければならないかもしれない。そう考えると、自宅での生活を続けることへの不安は限界に達していました。
特に父は症状が重く、専門的なケアが必要だと感じていましたので、いくつかの施設を見学し、父に合う場所を必死に探しました。この施設は、父自身も見学に同行し、「ここならお世話になりたい」と本人が納得してくれた施設だったんです。
入居決断時の葛藤・罪悪感
その問いに対しては、今でも「はい」としか言えません。両親を施設に預けるという決断は、どれだけ考えても「これで本当に良かったのだろうか」という自問自答がつきまといます。父の状況を考えれば、施設にお願いする以外に選択肢はなかったのかもしれません。それでも、心のどこかでは申し訳ないという気持ちが消えることはありませんでした。
見学時の施設に対する不安
「フォンテーヌ」さんに関しては、父も私も見学の時点で良い印象を持っていました。施設長さんやスタッフの方々が親身に対応してくださり、父の状態や私たちの不安をよく理解してくれようとしていたので、大きな不安はありませんでした。父自身が「お願いします」と言ってくれたことが、何よりの安心材料でした。