入居前の状況
親父が亡くなってから、おふくろはしばらく一人で暮らしていましたが、その後は私がそばにいました。そんな中で入院することになったんです。いよいよ退院という話になった時、これからの生活をどうするか、という問題が出てきました。
体はもう自分で動かせないし、車椅子がないとどうにもならない。もし自宅に帰るとなると、家の中を全部バリアフリーに変えないと生活できない状態でした。
施設探しを始めたきっかけ
一番のきっかけは、やっぱり退院ですね。自宅での介護は正直、難しいなと思いました。私には仕事がありますから、24時間体制で見ててあげることはできない。じゃあ在宅のヘルパーさんを頼むかとなっても、ヘルパーさんだって24時間ずっといてくれるわけじゃないでしょう。
「自分がいない時間に何かあったら…。」その不安がどうしても拭えなかったですね。お金はかかるけど、やっぱり24時間、誰かが見てくれるっていうのが一番の安心だと思ったんです。それが施設探しを始めた一番の理由ですね。
入居決断時の葛藤・罪悪感
施設に入れることへの葛藤や罪悪感、というものは、あまりなかったかもしれません。もちろん色々と思うところはありましたけど、それよりも「こっちの方が安心だ」という気持ちの方が断然強かった。
おふくろ自身も、体が動かなくなったので、自分の状況は納得していました。施設に行くということにも、特に抵抗はありませんでしたね。現実的に考えて、親子双方にとってそれがベストな選択だという感じでした。