入居前はどのような状況でしたか?
もともと母は私と同居していました。ですが、私がくも膜下出血で倒れてしまい、長期の入院が必要になったのです。その間、母の面倒を見ることができなくなり、弟が探してくれた別の介護施設にひとまず入居してもらうことになりました。それが、母にとって初めての施設での暮らしでした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
その施設には数年お世話になったのですが、いくつか課題が出てきました。一つは、私の自宅から施設までの距離です。電車を乗り継いで1時間近くかかり、駅からもバスに乗る必要があったため、頻繁に顔を出すには少し負担が大きかったのです。
そしてもう一つが、経済的な問題でした。それまでは兄弟からの支援もあったのですが、それが難しくなり、私一人の負担では月々の費用が少し重いと感じるようになりました。ちょうどそのタイミングで、最初の施設に支払った入居一時金がまだ数百万単位で返還される時期だったこともあり、これを機に、もう少し自宅に近くて、費用面でも無理のない施設へ移ることを決断しました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
コロナ禍で面会ができなかった期間に、母の症状が急激に進んでしまったようです。リモート面会もありましたが、画面越しでは母を混乱させてしまうのではないかと迷い、直接会えるようになるまで控えました。やっと会えた時には、以前は元気だった母が目も開けられないような状態で……。なぜこれほど急激に悪化してしまったのか、私としてもその経緯が分からず、ただ戸惑うばかりでした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
新しい施設を探すにあたって、私たちが最も重視したのは、自宅からの「近さ」でした。何かあった時にすぐに駆けつけられること、そして何より、私が「しょっちゅう会いに行きたい」という気持ちを大切にしたかったからです。
実は、もう一箇所、見学した施設がありました。そちらは施設の内容としては非常に心惹かれるものがあったのですが、やはり少し距離がありました。少し迷いはしたものの、最終的には、自宅から30分以内で通え、駅からのアクセスも非常に良い「ホームステーション高田馬場」に決めました。