生活感のある温かい空間
以前の施設は、正直に言うと「病室」のような雰囲気でした。病院の個室のように、どこか無機質で、生活感が感じられない空間。それはそれで衛生的で良いのかもしれませんが、祖父が「暮らす」場所としては、少し寂しいなと感じていました。
その点、「予縁の里」さんは全く違いました。見学の時に感じた「大きなお家」という印象は、入居してからも変わりません。良い意味で「施設っぽさ」がなく、「普通の一般住宅の一室」で暮らしているような、温かい雰囲気に満ちています。生活感があるからこそ、心が落ち着く。叔父にとっても、私たち家族にとっても、そこはまるで「第二の我が家」のような場所になりました。建物が立派だから良い、というわけではないんだな、と改めて気づかされました。
全員が「いい人」。施設の空気が、とにかく穏やか
施設の良し悪しは、結局「人」で決まるのだと痛感しています。以前の施設も、もちろん感じの良いスタッフの方はいらっしゃいました。でも、残念ながら、そうではない方もいたのが事実です。
「予縁の里」さんで驚いたのは、スタッフの皆さんが、本当に「みんないい人」だということです。ベテランの方から、外国人の若いスタッフさんまで、どの方も本当に感じが良く、親切です。面会に行くたびに、施設の穏やかで「良い空気感」が伝わってきます。
それは、スタッフ一人ひとりの人柄が作り出しているものなのだと思います。見学の時に感じた親身な対応は、特別なことではなく、この施設の「日常」だったのです。この人たちになら、大切な叔父を安心して任せられる。そう確信できたことが、一番の決め手だったかもしれません。
温かいものは温かいまま食卓へ
入居して間もない頃、叔父が何度も嬉しそうに話してくれたのが、食事のことでした。「ここのご飯は、温かいものはちゃんと温かくて、美味しいんだよ」と。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、以前の施設では、どうやらそうではなかったようです。
毎日3度の食事が、暮らしの中でどれほど大切な時間か。温かい湯気が立つご飯、季節を感じるおかず、栄養バランスの取れたメニュー。その一つひとつが、叔父の生活の質を高め、笑顔を引き出してくれました。
認知症が進んだ今でも、食事はきちんと召し上がっていると聞いています。「予縁の里」さんの心のこもった食事が、今の叔父の心と身体を支えてくれているのだと感じています。家族として、これほどありがたいことはありません。