問題が起きないことが、プロへの信頼の証
この施設が特にどう、というのを具体的に挙げるのは難しいのですが、一番は「安心して任せていられる」ということに尽きます。普段、施設から母の様子について定期的な連絡は特にありません。でも、何かあれば必ず連絡が来るはずなんです。だから「連絡がない」ということが、「母が穏やかに問題なく過ごせている証拠」だと、僕はそう理解しています。たまに荷物を届けに行った際にスタッフの方と話しても、悪い噂は聞きませんし、不安を感じるようなこともない。私たちの期待に、きちんと応えてくれていると感じます。
母の性格に合った「小規模」という環境
もう一つ、結果的に良かったと感じているのが、施設の規模感です。うちのおふくろは、少し気難しいところがあって、団体行動なんかは多分難しい人なんだろうな、と。もし、ここが100人、200人もいる学校みたいな大規模な施設だったら、きっと馴染めなかったんじゃないかと思います。その点、今の施設はそこまで大きくない。だからこそ、スタッフの方の目も一人ひとりに行き届きやすいでしょうし、母のような性格でも、大きなストレスなく過ごせているのではないでしょうか。
「対価を払って、仕事をお願いする」という割り切りができたこと
一番の理由は、私たち家族が「お金を払って、対価を得る」という割り切りができたことです。こう言っちゃ言葉は悪いんですが、施設も仕事だから、その仕事を「委託している」と、僕はそう思っているんですよ。「実の母親だから人情が」とか、そういうのは一切ないですね。そのせいで、私たちの生活が壊れかけていましたから。もちろん、施設の利用料は年金だけでは足りません。それでも、家族が精神的に疲弊していく日々と天秤にかけた時、今の生活を守る方が、私たちにとってはるかに重要でした。この決断ができたこと、そして、その決断に応えてくれる施設に出会えたことが、本当に良かったです。