センチュリーシルバー館林
に84歳・男性・要介護3で入居中の方へのインタビュー

父は脳梗塞の後遺症、そして母には認知症の初期症状。まさに「老老介護」の状態でした。なんとか二人で暮らしていましたが、母の口から「2階に知らない人がいる」といった言葉を聞くようになり、このままでは限界が近いと感じていました。 そんな中、父が転倒して股関節を骨折し、入院。これが直接のきっかけとなり、入院中に病院のケアマネージャーさんに相談したところ、「お母様お一人での介護はもう無理ですよ」と言われ、本格的に施設探しを始めることになりました。

施設に預けることに対して、特に葛藤や不安はありませんでした。私自身、前もって介護の勉強をしていたこともあり、「もう自宅での生活は難しい、施設の方が安全だ」という気持ちの方が強かったですね。

入居後、母の認知症は少しずつ進み、今では介護度も上がりました。父の身体状況も変わり、入居前は杖を使っていましたが、今では車椅子での移動が中心になりました。もしあのタイミングで決断していなかったら…と思うと、本当に「早く決断してよかった」と心から安堵しています。 ただ、やはり施設での生活になると、進行が進んでしまう側面はあるな、と感じています。仕方がないことだとは理解していますが、少し気力が落ち込んでしまうというか、そういった変化は感じますね。 現在の生活は、リハビリや食事の時間に食堂で他の入居者さんと顔を合わせる機会はあるものの、基本的には夫婦の部屋で過ごしているようです。

他の施設を見学したり、比較検討したりする時間的な余裕はありませんでした。ケアマネージャーさんから紹介されたこちらの施設が、かかりつけの病院と提携していたこと。そして、タイミングよく夫婦二人で入れる部屋に空きがあったこと。 これらの好条件が重なり、「ここしかない」と迷わず即決しました。 結果的に、両親が強く希望していた「長年住み慣れた自宅からあまり離れたくない」という願いも叶える形となり、私たち家族にとって本当に最善の選択だったと確信しています。

この施設にして良かったと感じる一番の理由は、スタッフの方々の人柄です。皆さんとても親身で、決して事務的ではないんです。何か困ったことがあって相談すると、いつも親身になって話を聞いてくださいます。面会に行くたびに、スタッフの方々の対応を見ていると、信頼できる方が多いなと実感でき、安心して両親を任せられています。

父は糖尿病を患っており、食事制限があります。それでも、本人たちに様子を聞くと「ここの食事は美味しいよ」と話してくれるので、とても嬉しく思っています。 以前は、施設の職員さんが食事の写真をインスタグラムに投稿してくれていて、日々の献立を知ることができたんです。残念ながらその職員さんが辞められたからか更新が止まってしまったのですが、写真からも美味しそうで、栄養バランスの考えられた食事を提供してくれていることが伝わってきて、安心材料の一つでした。

この施設を選んだ大きな理由の一つが、かかりつけの病院と提携している点でした。父には持病もありますし、いつ何が起こるか分からないという不安が常にありました。何かあった時に、勝手知ったる病院とスムーズに連携してもらえるという安心感は、何物にも代えがたいですね。これは、急な施設探しの中で最も幸運だった点かもしれません。

面会のルールがかなり厳しい点は、少し残念に感じています。面会は3人以内に制限され、しかも高校生以下の子どもは連れて行くことができません。予約も必要で、時間も15分と限られています。他の施設に入居している方の話を聞くと、「そんなに厳しいの？」と驚かれることもありますね。もう少し柔軟に対応していただけると嬉しいな、というのが正直な気持ちです。 また、以前は集団での外出の機会もあったのですが、今は行われていないようです。少し寂しく感じます。 それでも、兄とも相談しているのですが、今から新しい環境に移すのは、両親にとってかえって負担が大きいだろうと考えています。本人たちが穏やかに過ごしてくれているので、今のところはこのままお世話になろうと思っています。

お父様の突然のお怪我とお母様の認知症の始まりが重なり、ご自身も介護の勉強をされながら、冷静に、そしてご両親の「自宅の近くがいい」という希望を最優先に考えて施設を選ばれた経緯が非常に印象的でした。 良かった点だけでなく、面会制限の厳しさといった改善点についても率直にお話しいただき、これから施設を探す方にとって、非常にリアルで参考になるお話だったと感じます。お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。