シニアハウス笑楽堺
に57歳・女性・自立で入居中の方へのインタビュー

主人とは一回り歳が離れていて、二人で神戸で暮らしていました。私自身、背中の圧迫骨折や腕の骨折を経験し、一時期は車椅子生活になったこともあり、この先の生活に漠然とした不安を感じるようになったんです。「もし自分が入院でもしたら、主人の食事はどうなるんだろう…」とか、お互いに何かあった時のことを考えると、二人だけの生活に少し心細さを感じていました。そんな時に「サービス付き高齢者向け住宅」という選択肢があることを知り、専門のスタッフさんがいる環境で暮らすことを考え始めました。 主人はちょうど入居前に入院しており、私も精神科にも通っていました。そうした状況もあって、いざという時にサポートが受けられる施設への入居を具体的に検討し、決断に至りました。

入居を決めた時期はちょうどコロナ禍の真っ只中でした。主人が退院するタイミングに合わせて急ぎで探したのですが、空きがあったのが、事実上こちらのシニアハウス笑楽堺だけだったんです。見学から決定までわずか1日という慌ただしいスケジュールでしたが、主人の退院と同時に入居できるよう、迅速に対応していただきました。

入居当初は環境の変化に戸惑いもありましたが、現在は慣れて穏やかに過ごしています。以前は車椅子が必要な場面もありましたが、今では歩行器を使って施設内を一人で移動できるようになり、トイレも自立しています。一人でお風呂にも入れるようになりました。 何より安心なのは、医療面のサポートが手厚いことです。お世話になっている精神科の先生が施設まで訪問してくださいますし、内科の先生や歯医者さんも定期的に来てくださいます。病院へ通う手間や負担がないのは、私たちにとって本当にありがたいですね。 また、ここの建物は各階にお風呂があるんです。デイサービスの時間に合わせなくても、自分のペースでゆっくりと入浴できるので、とてもリラックスできています。自宅での生活では得られなかった、専門的なサポートと安心感に包まれて暮らせていると感じます。 朝はパンとコーヒーがいただけますが、昼や夜については「もっとこうしてほしい」という要望をアンケートにも書いています。 例えば、夏場はうどんやそばなどの冷たいメニューが出ますが、冬でも温かいうどんが選べたら嬉しいですね。たまに月2〜3回ほど出る「鶏釜飯」や「カレー」「天津飯」「ハヤシライス」といったメニューは楽しみの一つです。 ただ、食事代はキャンセルができない仕組みなので、自分たちで食材を買ってきて自炊をする日は、少しもったいないなと感じてしまいます。 デイサービスは施設に併設されていますが、現在デイサービスは利用していません。買い物代行は基本的に水曜日のみですが、私の場合はデイサービスを利用していない代わりに土曜日を洗濯の日としてもらっています。 もし水曜日の代行で足りないものがあれば、土曜日に臨時の買い物をお願いすることもあります。週に1回、自分たちが食べたいものや必要なものを揃えられるこの仕組みがあるからこそ、自炊を取り入れながら自分たちらしい生活を維持できています。

この施設を選んで良かった一番の理由は、夫婦二人で入居できるお部屋があったことです。いざ施設を探し始めると、夫婦で一緒に入れるお部屋は意外と少ないんですよね。長年連れ添った主人と離れることなく、これからも同じ空間で生活を続けられる。当たり前のようでいて、それが叶う場所を見つけられたのは本当に幸運でした。何かあってもすぐそばにいるという安心感は、何にも代えがたいものです。

お世話になっている精神科の先生が、施設まで訪問診療に来てくださることも、私たちにとっては非常に大きなポイントでした。病院への定期的な通院は、年齢を重ねると身体的にも精神的にも負担が大きいもの。精神科だけでなく、内科や歯科の先生も定期的に来てくださるので、わざわざ外出することなく専門的な診察を受けられるのは、本当に心強いです。健康面の不安をすぐに相談できる環境があることで、日々穏やかに過ごせています。

ここの建物は各階に浴室が設置されていて、これがとても気に入っています。多くの施設では入浴の曜日や時間が決まっていますが、ここでは比較的自由に、自分の入りたいタイミングで利用できます。デイサービスでお風呂に入らなくても良いので、その分、他の活動に時間を使えますし、何より周りに気兼ねなく一人でゆっくりと湯船に浸かれる時間が、心と身体のリフレッシュになっています。ささやかなことかもしれませんが、日々の暮らしの質を高めてくれる大切なポイントです。

入居する前は、もっと自由に外出できるものだと思っていました。でも実際には、安全面への配慮や、やはりスタッフさんの人数にも限りがあるためか、気軽に買い物に出かけたり、散歩したりという機会は思ったよりも少ないですね。スタッフさんに買い物を頼むことはできるのですが、自分の目で見て選びたいなと思うこともあります。この点は、入居前に想像していた生活との少しギャップを感じた部分です。

正直なところ、改善してほしいと感じる点もいくつかあります。一番は、毎日の食事です。私たちにとって食事は一番の楽しみなのですが、残念ながらあまり口に合わないことが多く、今は昼と夜の食事はほとんど私が部屋で作っています。ただ、食事をキャンセルしても料金は変わらないという決まりがあり、自炊しているにもかかわらず施設にも食事代を支払っているのが、少しもったいないなと感じています。このルールは、柔軟に対応していただけると嬉しいですね。 また、スタッフさんの人数がもう少し増えると、より手厚いケアが受けられるのではないかと感じることがあります。特に、介護度が高い方にスタッフさんが付きっきりになると、他のことまで手が回りにくくなるのでは、という心配もあります。併設のデイサービスも、もう少し活動内容にバリエーションがあると嬉しいなと思います。ただ、こうした点はあるものの、今のところ退去を考えたことはありません。やはり、慣れた環境で、主人と一緒に安心して暮らせるという点が大きいからです。

ご夫婦で入居されている奥様から、とても率直で正直なご意見を伺うことができました。食事内容やスタッフさんの人員不足といった、生活する上での現実的な課題について包み隠さずお話しくださった一方で、「夫婦で一緒に暮らせる」「医療サポートが手厚い」といった、この施設ならではの良さも実感されているご様子が印象的でした。施設選びでは何を優先し、どこまでなら受け入れられるのか、そのバランスを考える上で非常に参考になるお話だと思います。