「施設」ではなく「自分の家」と思える高級感
この施設を選んで一番良かったのは、母がここを「施設」ではなく「自分の新しい家」として受け入れてくれたことです。もともと母は「ホテルみたいなところなら」と話しており、この施設はまさにそのイメージにぴったりでした。見学に訪れた際、広々とした廊下や品の良い内装を見て、病院のような雰囲気は一切なく、まるで高級なマンションのようだと感じました。母も「入れられるんじゃなくて、自分で家を買ったんだ」という気持ちになれたようで、それが大きな決め手になりました。
個室なので、自宅で使っていたカーペットを敷いたり、好きな家具を置いたりして、自分だけの空間を作れたことも、すんなり馴染めた理由だと思います。「自分は良いところに住んでいる」という少し見栄っ張りな母の気持ちも満たしてくれたようです。
つかず離れずの、心地よい距離感の見守り
スタッフの方々の見守り体制が、母の性格にとても合っていたと感じています。常に監視されているような息苦しさはなく、かといって放置されることもありません。体調が優れない時は頻繁に様子を見に来てくださいますし、普段も2時間おきくらいに喫茶やアクティビティへの声かけがあり、孤独を感じさせない工夫がされています。それでいて、私たちの面会中にはそっと距離を置いてくださるなど、プライベートな時間も尊重してくれるんです。
スタッフさんが母に「ああしましょうね、こうしましょうね」と言うことも、本人は素直に聞き入れているようです。程よい距離感で信頼関係を築けているのだと思います。私たち家族にとっても、この「ちょうどいいバランス」が大きな安心材料になっています。
毎日の生活に張り合いを生む多彩なアクティビティ
自宅にいた頃は、どうしても単調な毎日になりがちでしたが、ここでの生活はとても充実しているようです。毎日、午前と午後に脳トレのプリントや体操、お花やお習字といった様々なアクティビティが用意されています。母はもともと活動的なタイプではありませんが、スタッフの方が「いかがですか?」と優しく声をかけてくださると、素直に「行きます」と参加しています。時には「洋画の映画はよくわからなかった」なんて言いながらも、誘ってもらえること自体が嬉しいようです。こうした日々の小さな刺激が、心身の健康維持にも繋がっていると感じています。
食べる喜びを取り戻せた、食生活の変化
食生活が改善されたことも、嬉しい変化の一つです。弟と暮らしていた頃は、母は自分でお粥やお茶漬けばかり作って食べていました。それが施設に入ってからは、栄養バランスの考えられた普通のご飯を三食しっかりと食べるようになったんです。「みんなと同じものを食べる」という環境が良い刺激になったのかもしれません。本人も「おいしい」と言ってほとんど残さず食べていると聞き、安心しました。以前、部屋食の際に偶然食事を見ることがありましたが、主菜に副菜が3品、デザートまでついた充実した内容で、これなら健康を維持できるなと納得しました。