全部お任せじゃない。「ちょうど良い」生活サポート
以前、姉が見つけて見学に行った施設があったんですけど、そこは台所からお風呂、洗濯機まで全部屋についてて、「あとはご自身でどうぞ」というスタイルだったんです。でも、要介護2の姉が一人で全部こなすのは、正直無理だろうなと思って。私も50年以上、毎日ご飯を作り続けてきて、その大変さは身に染みてますからね。
その点、今の施設は私たちにとってちょうど良かったんです。食事は栄養バランスの取れたものを3食用意してもらえますし、掃除や洗濯もヘルパーさんが「一緒に」やってくれます。「一人でやらなきゃ」というプレッシャーもないし、かといって全部取り上げられるわけでもない。このバランスが、姉には合っていると感じました。
それに、「今日は外で食べたい」って伝えれば、すぐそばのレストランで昼食をとることもできるし、近くのコンビニに買い物に行くのも自由なんです。温泉に連れて行ってくれたり、「今度はお寿司を食べに行きますよ」なんてイベントもあって。必要なサポートは受けながら、自分のしたいこともできる。この環境が決め手の一つになりました。
認知症の特性を理解した、家族も安心の見守り体制
認知症の姉のことで、家族として心配なことも色々あったんですが、こちらの施設は本当によく理解してくださっているなと感じます。
例えば、私が差し入れたお菓子を、姉が一度にたくさん食べてしまうことがあったんです。そのことをスタッフの方に相談したら、ただ「ダメです」と取り上げるんじゃなくて、「こちらで管理して、少しずつお渡ししますね」と対応してくださって。自動販売機でジュースを何本も買ってしまう、という話をした時も、「お金を預かって、こちらで1日1本お渡しするようにしましょう」と。本当にありがたかったです。
また、親戚のお葬式があった時には、もう一人で会場まで行くのは無理だろうと諦めかけていたんですが、「大丈夫ですよ」と言ってくださって。タクシーの手配から会場への付き添いまで、職員さんが快く引き受けてくださったんです。マニュアル通りの対応じゃなく、一人ひとりの事情に柔軟に寄り添ってくれる。その姿勢を見て、家族として心から安心してお任せできると思いました。
「介護度が上がっても大丈夫」という終の棲家としての安心感
老健を退所しないといけなくなった経験があったから、私たち家族も、そして姉自身も「次の施設でも、また同じことが起きたらどうしよう」っていう不安が一番大きかったんです。
ですから、入居を決める前に「もし、これから介護度が上がってしまったら、また出ていかなければいけないんですか?」ってはっきり聞いたんです。その時、スタッフの方が「大丈夫ですよ。最後までこちらで生活していただけます」と力強く言ってくださって。この一言が、私たちの最後の決め手になりましたね。
実際に、入居後に姉の状態を改めて見ていただいたら、「要支援1じゃなくて要介護2が妥当でしょう」ということになって介護度が上がったんですけど、施設からは何も言われることなく、以前と変わらず手厚いケアを続けてもらっています。
ずっとここにいられる。この安心感は、何物にも代えがたいです。
希望と違っても大丈夫。実際に見学できた納得感
実は、見学の際に見ていた日当たりの良い南向きの部屋はもう埋まってしまっていたんです。それで、「一度、北向きのお部屋も見てみませんか」と再見学のご提案いただいて。
正直、「北向きかぁ…」と少し不安だったんですけど、実際にお部屋を見せてもらったら、心配していたほど暗くもなくて。「あ、ここなら大丈夫だね」って。
やっぱり、パンフレットや話だけじゃなくて、本人がこれから生活するお部屋をちゃんと自分の目で見られたっていうのは、すごく大きかったですね。変な感じもしなかったし、ここに入れさせていただこうって、すっと決めることができました。