介護付有料老人ホームもえぎ野の杜
に95歳・女性・要介護2で入居中の方へのインタビュー

私たち家族の引っ越しのタイミングもあったのですが、母がもともといたところがケアハウスで、自立がメインのところだったんです。介護度が上がって、要介護2になってしまったので、なかなか自立が難しくなってきたっていうのもあって。それで「このタイミングで」っていう感じで、もう少し介護やケアが充実したところを探し始めました。

施設を移ることについて、母が「嫌だ」とかそういったことを言うのはなかったですね。もともとの場所があまり合っていなかったようで、「どこでもいいから引っ越したい」と言っていました。なので、私たちとしても特に罪悪感みたいなものはありませんでした。

入居してすぐは、やはり環境が変わったことで母も戸惑ったみたいで。認知症の症状が結構ひどくなってしまって、引っ越した後に「嫌だ嫌だ」って言っていたんです。 一時は、暴れてしまうということがあって、施設の方からも「もし今後、暴言や暴力など症状が酷くなるようであれば、精神科への入院も考えていただいた方がいいかもしれません」というようなことを言われました。出ていかないといけないのかな、という雰囲気の時もありましたね。 でも、こちらの施設では精神科の先生が訪問診療に来てくださるんです。その先生が母の状態をきちんと診て、的確なお薬を出してくださったみたいで。そのお薬が効いているのか、今はすっかり落ち着いたので、そういったことは言われなくなりました。

やっぱり一番の不安は費用のことでしたね。母の状態を考えると「介護付き」の施設がいいんですけど、介護付きだと結構値段が高いんで、そこが難しかったです。どうしようかと思っていたんですが、予算に合う安いところを探していただいたんで、それは本当に助かりました。もちろん、前の施設と比べれば値段は上がりましたけど、介護付きの施設の中では安い方だと思うので、見つけられて良かったです。これからのことを考えると、このタイミングで移れて本当に良かったなと思っています。

一番助かっているのは、やっぱり医療の内容が充実していることだと思います。内科の先生とか歯科の先生、眼科、精神科まで、いろんな先生が施設に訪問診療でいらっしゃるんです。 母も高齢なので、何かあった時にその都度、家族が病院に連れて行くのって本当に大変ですから。整形外科とか一部の科目だと連れ出していかないといけないんですけど、基本的には施設の中で大体は大丈夫なので、それは本当に助かりますね。

看護師さんがいつも常駐しているので、それもすごく安心ですね。 なんか母が足が痛いって言ってるんですけど、とか、そういうのがあったりとかすると、すぐに相談することができるんです。専門の先生に来ていただくほどではないけど、少し気になる…みたいな時に、いつでも話せる相手がいてくれるのは、やっぱり心強いです。

母も95歳なので、ここからまた引っ越しをするというのは、なかなか難しいかなと思っています。その点、こちらの施設では一応、看取りとかもしていただけるみたいなので、最期までいさせていただけるというのは安心ですね。

面会の時間が決まっているというのを知らなくて。入居後に知りました。1日に4組までで、時間も15分しかないこと、居室には入れないこととかは、事前に詳しく聞いていなかったので、想定外でしたね。前の施設はいつでも面会が可能だったので、まさかそういったルールがあるとは思いませんでした。 月に一度、フラダンスの会や七夕、お誕生日会みたいな大々的なイベントもやっているみたいなんですけど、どんな風に楽しんでいるのか、その様子を見ることもできなくて。日常の生活状態について施設の方から細かく説明があるわけではないので、少しもどかしく感じることはありますね。 ただ、向こうが困っている時や、こちらから何か相談したい時にはしっかり話を聞いてもらえます。特に看護師さんが常駐しているので、何か体調に変化があった時には連絡をいただけますし、「母が足を痛がっているようなんですけど」みたいに相談すればすぐに対応してくださるので、その点はとても安心しています。

やはり一番は、面会のルールが厳しいことですね。コロナ禍にできたルールみたいなんですけど、1日に4組まで、時間は15分、場所は面会室だけと決まっているんです。これがなかなか緩和される感じもなくて…。一応、「連れ出すのは自由」とは言われているんですけど、母も足が悪いのでなかなか連れ出すのは大変で。 それから、私も仕事をしているので、どうしても面会は日曜日とかになってしまうんですけど、1日4組の枠はすぐに埋まってしまって、なかなか予約が取れないこともあります。もう少し柔軟に対応してもらえると嬉しいな、というのが正直な気持ちです。

今回お話を伺い、施設選びにおいて医療連携がいかに重要かを改めて感じさせられました。環境の変化で認知症が悪化するという困難な状況を、施設の専門的なケアによって乗り越えられたというお話が非常に印象的です。面会の制限という現実的な課題についても率直にお話しいただき、同じような悩みを持つご家族にとって、大変参考になる内容だと感じました。お母様への深い愛情と、穏やかな暮らしを願う切実な想いが伝わってくる、貴重なインタビューでした。