ライブラリ相模大野南
に95歳・女性・要介護2で入居中の方へのインタビュー

父が亡くなった後、母は自宅で暮らしており、私の兄弟が同居していました。しかし、兄弟も日中は仕事で家を空けているため、母が一人になる時間が長かったんです。 そんな中、庭仕事で転倒して救急車で運ばれるということが何度か続きました。特に2回目の転倒では頭を打ってしまい、入院することになりました。幸い大事には至りませんでしたが、脳震盪の影響か、一時的に記憶が飛んでしまうようなこともあり、私たち家族は「このままでは、何かあった時に対応が遅れてしまうかもしれない」と強い不安を感じるようになりました。

本格的に施設探しを始めたのは、母が頭を打って入院したことが直接のきっかけです。兄弟と話し合い、「日中も誰かの目がある環境の方が、母にとっても私たちにとっても安心できるのではないか」という結論に至りました。 入院している間にインターネットで施設を探し始め、退院のタイミングに合わせてそのまま施設へ移れるように準備を進めました。探し始めてから入居までは1ヶ月ほどで、意外とスムーズに進んだように思います。

母を施設に入れるという決断には、やはり心の揺れがありました。本人はきっと、長年住み慣れた家に帰りたかったと思います。実際、入居当初はそんな素振りも見せていました。ですが、私たちの心配を汲んでくれたのか、「しょうがない」と納得しようとしてくれているのが伝わってきて…。その姿を見るのは、少し切なかったですね。

見学時の不安は、特にありませんでした。むしろ、とても良い印象を受けたのを覚えています。当時いらっしゃった施設長さんが非常にアットホームな方で、母の状況についても親身に話を聞き、よく理解してくださいました。施設内も清潔感があり、ここなら安心して母を任せられるかもしれないと感じました。

入居後の母は、施設での生活に少しずつ慣れていきました。最初は戸惑いもあったようですが、今では朝の合唱会に参加したり、折り紙を折ったりと、日々のイベントをそれなりに楽しんでいるようです。コロナ禍で一時期はレクリエーションが減っていましたが、最近また少しずつ復活してきているのも嬉しいですね。 健康面では、週に1〜2回のリハビリを受けさせてもらっているのが、家族としては大きな安心材料です。私が面会に行くと、「今日は10時からリハビリなのよ」なんて話してくれることもあり、本人も嫌がることなく前向きに取り組んでいるようです。自宅にいた頃は、専門的なリハビリを受けさせるのは難しかったですから、これは本当にありがたいことだと感じています。

入居後も、見学時に感じた良い印象は変わりませんでした。スタッフの皆さんはいつも親切で、母も穏やかに過ごせているようです。見学の時に感じた「ここなら大丈夫そうだ」という直感は間違っていなかったなと、今では思っています。

この施設を選んだ一番の理由は、見学の際に感じたスタッフの方々の温かさです。当時の施設長さんがとてもアットホームな方で、こちらの話を丁寧に聞いてくださり、母の状態を深く理解しようとしてくれる姿勢に心から安心しました。入居後もその印象は変わらず、どのスタッフさんも本当に親切です。 私が仕事の都合で朝9時といった早い時間に面会に伺っても、嫌な顔一つせず快く対応してくださいます。そんな日々の細やかな心遣いに、いつも感謝しています。

母は幸い認知症はありませんが、足腰が弱り、歩行には手押し車が必要です。こちらの施設は、母のように頭ははっきりしているけれど身体的なサポートが必要な方々のフロアと、認知症のケアが必要な方々のフロアが分かれていた。同じような状況の方々と一緒に過ごせる環境は、本人にとっても精神的な負担が少ないだろうと感じ、大きな決め手の一つになりました。 また、週に1〜2回、専門の理学療法士さんによるリハビリを受けられる点も魅力的でした。母も前向きに取り組んでおり、身体機能の維持につながっていると感じています。

母は元々きちんとした性格で、95歳になった今でも頭は非常にしっかりしています。施設での生活においても、ただケアを受けるだけでなく、自分なりのこだわりを持って過ごせていることが、生活の質の向上に繋がっていると感じます。 例えば、食事面では「出されたものをきちんと食べて健康を維持する」という意識を強く持っており、私たち家族が好物を差し入れようとしても、「ご飯が食べられなくなるからいらない」と自分を律するほどです。また、季節の変わり目には「夏布団に変えてほしい」と家族に的確な指示を出すなど、自分の生活環境を自ら管理できています。 さらに、職員さんとのコミュニケーションも非常に良好で、季節に合わせて「職員さんたちにお渡しするお菓子を買ってきて」と私たちに頼んでくることもあります。このように、本人の主体性が尊重され、周囲の方々と温かい関係を築けていることが、穏やかで充実した毎日を送れている最大の理由です。

全体的にとても満足していますが、しいて挙げるとすれば、入浴に関することでしょうか。インフルエンザやコロナのような感染症が施設内で流行すると、感染対策のためか、通常は週2回あるお風呂の回数が減ってしまうことがあるようです。 「仕方がないことだ」と頭では理解しているのですが、特に汗をかく夏場などは、母も辛いのではないかと少し気になります。普段は問題ないのですが、有事の際の対応として、何か別の方法があれば嬉しいなと思うことはあります。

お母様を大切に想う、優しいお気持ちが伝わってくるインタビューでした。施設での生活について、良い点だけでなく、少し気になる点についても、施設側への配慮を忘れず、冷静かつ丁寧にお話しくださる姿が非常に印象的です。お母様が施設での暮らしに順応し、ご自身のペースを保ちながら前向きに過ごされているご様子が伺え、ご家族にとってそれが何よりの安心につながっているのだと感じました。 施設選びをされている方にとって、非常に参考になる貴重なお話だと思います。