レビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状、睡眠時の異常行動といった特徴的な症状が見られるため、その症状に適切な介護をすることが求められます。
幻視症状への対応
幻視症状への対応としては、強く否定しないことが大切になります。
介護者からすれば幻ですが、認知症本人には実際に見えているものであるため、強く否定してしまうことで反感を買ったり、過度なストレスを感じてしまうケースも珍しくありません。
そのため、まずは実際にはないものが見えているということを受け入れる必要があり、そのうえで幻視に対する恐怖や不安といったマイナスの感情を取り除いてあげることが大切です。
出典:厚生労働省「若年性認知症支援ガイドブック」
パーキンソン症状への対応
パーキンソン症状への対応としては、転倒の予防が重要になります。
パーキンソン症状が見られる場合は、手足の痙攣や筋肉のこわばりから転倒のリスクが高まるため、転倒時には骨折、最悪の場合は寝たきりになってしまう可能性もあります。
これらのケースを避けるためにも転倒予防に取り組むことが重要であり、自宅内の段差の解消や手すりの設置などによって生活環境を整備するといいでしょう。
睡眠時の異常行動への対応
睡眠時の異常行動が見られる際には、自然に目が覚めるように働きかけることが重要です。
身体を揺するなどし無理に起こした場合は、強い刺激によって、怖い夢と現実が混同してしまい、興奮状態になってしまいます。そのため、部屋を明るくする、目覚まし時計を鳴らすなど、自然に目が覚めるよう努めましょう。
また、睡眠時の異常行動には、アリセプトという薬が有効とされているため、専門医の指導のもと服薬するのも1つの手です。
出典:厚生労働省「若年性認知症支援ガイドブック」