脳卒中とは、急性期の脳血管障害のことを指し、突発的に脳の血管が詰まったり、破れたりすることで引き起こされる病気の総称です。
脳卒中のうち、脳の血管が詰まり血が通らなくなることで脳の一部が死んでしまうものを脳梗塞、脳の内部にある血管からの出血により脳が壊されるものを脳出血、脳の表面にある血管から出血して脳表が血液でおおわれてしまう疾患をくも膜下出血と言います。
脳は場所によって担っている機能が違うことから、障害が発生した場所によって症状はさまざまです。例としては、意識障害や身体の麻痺、言語障害などが挙げられます。
身体の麻痺による運動機能については、発症から3~6か月までは顕著に回復、それ以降はあまり症状の変化が見られなくなり、言語障害などは発症から1年を経過してから徐々に改善される傾向にあります。このように症状によって改善される時期や傾向が異なります。
出典:厚生労働省「脳卒中に関する留意事項」
出典:公益社団法人 日本脳卒中協会「脳卒中の主な症状」
脳卒中が原因で介護が必要になった方を介護する際には、できる範囲は本人にやってもらう・うつ状態に注意するという2点が重要になります。
脳卒中の方を介護する際には、できる範囲は本人にやってもらうようにしましょう。
というのも、自力で生活動作を行うことで、運動機能の維持・回復といった効果が期待できるためです。
身体の麻痺という後遺症が見られる場合には、麻痺によって箸が持てない・着替えができないというように自立した生活が難しいケースが少なくありません。
本人に任せると時間がかかるといった理由からつい手を出してしまいがちですが、すべての生活動作に手を貸していると、本人の運動機能の維持・回復を妨げることになり、結果的に本人の身体状態に良くない影響を与えることになります。
多くの時間や忍耐が必要になるかもしれませんが、本人の身体状態のことも考慮し、本人にできそうなことは本人にやってもらいましょう。
脳卒中の方を介護する際には、本人がうつ状態にならないよう十分注意しましょう。
脳卒中という病気は、ある日急に身体の自由が利かなくなり、今まで通りの生活ができなくなってしまうことから、本人が感じる絶望や苛立ちといった負の感情は計り知れず、うつ状態になってしまう方も珍しくありません。
そのため、なるべく本人がうつ状態にならないようケアをすることが重要です。
本人の性格などにより効果的なケアは異なりますが、運動やレジャー活動が脳卒中後のうつの発生減少に効果的であるとされていることから、家に籠りきりになるのではなく、定期的に外との関りを持てるような生活を心がけるといいでしょう。
脳卒中に対応している施設を探す際には、リハビリサービスの充実度が重要になります。
というのも、脳卒中後には、身体の麻痺や嚥下機能の低下などの後遺症が残るケースがありますが、継続的にリハビリを行い運動機能を活用してあげることで、症状が回復する可能性があるためです。
運動機能の回復という観点から重要になるリハビリサービスですが、充実度を見分けるポイントとしては、理学療法士や作業療法士といった専門家の配置有無が挙げられます。
専門家の配置がなくともリハビリサービスを提供することは可能ですが、介護職員が実施できるリハビリは生活リハビリといった日常生活上の動作を補助する内容のものに限られるため、専門的な内容は期待できません。
一方、専門家の配置がある場合には、特定の機能に関する専門的なリハビリを個別に受けることが可能であるため、症状の回復により効果的と言えるでしょう。
症状の回復を目指す方は、リハビリサービスの充実度を考慮して施設を選ぶといいでしょう。
事前相談から入居まで、親身にサポートします。
ご家族含めて納得できる施設に出会えるよう、お手伝いさせて頂きます。