老健(介護老人保健施設)のサービス内容とは?各サービス内容について徹底解説!

老健(介護老人保健施設)のサービス内容とは?各サービス内容について徹底解説!

老健とは、社会福祉法人や医療法人などが運営する公的施設の1種であり、在宅復帰を目的としているため、介護や医療サービスに加え、専門的なリハビリを受けることができる施設です。

そんな老健では、以下のようなサービスを受けることができます。

  • リハビリ
  • 医療ケア
  • 介護・生活支援
  • 食事の提供・栄養管理
  • レクリエーション

本記事では、上記の、老健のサービス内容について1つずつ詳細に解説していきます。

老健への入所を検討しているという方は、ぜひお役立てください。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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老健で受けられるサービス内容を一覧表で紹介

老健で受けられるサービス内容は以下の通りです。

サービスの種類 サービス内容
リハビリテーション
  • 起居動作や生活動作などに関わる身体機能の維持・回復を目的に行われる。
  • 専門家の配置が義務付けられているため、他施設に比べると専門的なリハビリの提供がある。
医療ケア
  • インスリンの注射や痰の吸引、経管栄養など多くの医療行為に対応。
介護サービス
  • 入浴・排せつ・食事といった生活動作の介助をはじめ、着替えや移動の際の介助も行う。
  • 日常生活を送るうえでの全般的なサポート。
生活支援サービス
  • 居室の清掃やシーツの交換などを行う。
食事の提供
  • 1日3食の食事の提供。
  • 入所者の希望・状態に応じて、ソフト食やきざみ食などの食事形態にも対応。
レクリエーション
  • 身体機能の維持・回復やリフレッシュを目的に行われる娯楽活動。
  • 内容は施設によって異なり、手芸や書道、ボードゲーム、脳トレなど多岐に渡る。

老健では、医療や介護サービスをはじめ、食事の提供やレクリエーションなどのサービスの提供があります。

また、在宅復帰を目的とした施設であることから、身体機能の維持・回復のためのリハビリを受けることができます。

以上のようなサービス内容から、老健は在宅復帰に向けたサービスを受けられるという特徴を持った介護施設であることが分かります。

以下では、各サービス内容について、詳細に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

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老健(介護老人保健施設)のサービス内容①リハビリ

老健では、在宅復帰を目的としたリハビリを受けることができます。

また、老健では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった専門家の配置が義務付けられていることから、専門性が高いリハビリを受けながら、在宅への復帰を目指すことが可能です。

老健で受けられるリハビリにはいくつかの種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。

リハビリの種類 内容

専門家による個別リハビリ

  • 起き上がる、座る、歩くといった基本動作のための身体機能の回復
  • 入浴・排せつ・食事などの生活動作を行うための身体機能の向上
  • 話す、食べる、聞くといった言語や聴覚に関わる機能の回復
集団リハビリ
  • リハビリを要する他の入所者と集団で行うリハビリ
  • 運動や歌、頭の体操など、施設により内容は様々
生活リハビリ
  • 日常生活上の生活動作を通して、入浴や排せつ、食事、移動といった動作を行うための機能の向上を図る

上記の表からも分かるように、老健では起居動作や生活動作などに関わる機能の回復・維持を目的としたリハビリを受けることができます。

老健のリハビリの実施時間については、1回当たり約20~30分というのが一般的となっています。

また、リハビリを受けられる頻度についてですが、老健に入所してからの経過日数によって異なり、入所後3か月の間は「1週間に概ね3回以上」リハビリを受けることができる一方で、入所後3か月以上経過した場合は、1週間に2回程度」とリハビリを受けられる頻度が減少していきます。

老健の利用を検討しているという方は、把握しておくといいでしょう。

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老健(介護老人保健施設)のサービス内容②医療ケア

老健では、医師の常駐義務があることから、医療的なケアを受けながら生活することができます

具体的な医療ケアについては、以下の通りです。

看護師が行える医療行為 インスリン注射 人工呼吸器の管理 在宅酸素療法
中心静脈栄養 褥瘡(じょくそう)ケア ストーマの貼り替え
経管栄養(胃ろうなど) 痰の吸引 導尿・バルーンカテーテルの管理
医師が行える医療行為 注射・点滴 人工透析 診察及び経過の観察
応急処置 処方箋の発行
介護職員が行える医療的ケア 体温測定 血圧測定 軟膏の塗布
湿布の貼付 軽い傷への処置 内服薬を飲むときの介助
目薬の点眼 座薬の挿入 鼻腔に薬を噴射するときの介助
研修を受けた介護福祉士が行える医療行為 喀痰(かくたん)吸引 経管栄養

老健では看護師が24時間常駐しているところも多く、インスリンの注射や痰の吸引、経管栄養などさまざまな医療行為に対応しています。しかし、夜間の看護師の常駐は義務付けられていないことから、施設によっては看護師が24時間配置されていないところもあるため、夜間帯の医療ケアが必要な際には十分な注意が必要です。

また、老健では病院と同じような設備を整えるのは難しいため、病院と同等の医療行為の提供は難しいため、その点については注意が必要です。

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老健(介護老人保健施設)のサービス内容③介護・生活支援

老健では、リハビリや医療ケアに加えて、生活上の介護や生活支援などのサービスも受けることができます。

介護・生活支援サービスの具体的なサービス内容については、以下の通りです。

サービス 内容
身体介護
  • 入浴やシャワー浴などの介助による清潔ケア
  • トイレ誘導やおむつ交換といった介助による排せつケア
  • 食事の介助
  • 着替えの介助
  • 移動の介助
生活援助
  • 居室の清掃やシーツ交換
    ※洗濯のサービスはなく、家族が持ち帰えるか外部業者に委託する

上記の表からも分かるように、基本的な身体介護や生活支援には対応しているため、入所者の方は不自由なく生活することができるでしょう

ただし、老健は在宅復帰を目的としているため、看取りには対応していないケースもあります。また、買い物の代行や洗濯などの生活支援は充実していないケースもあるため、注意が必要です。

老健(介護老人保健施設)のサービス内容④食事の提供・栄養管理

老健で生活する際には、食事の提供サービスが受けられるため、1日3食の食事の提供があります。

また、入所定員が100名以上の場合は、栄養士1名以上の配置が義務づけられており、栄養士が監修したメニューをもとに調理するため、栄養バランスが良くカロリー管理された食事を用意してもらうことが可能です。

入所者1人ひとりに合わせた栄養量などを計算したうえで、個別の栄養ケア計画を作成し、実際に提供している食事で、必要な栄養を摂取できているのかの確認も行います。

また、高血圧や糖尿病、腎臓病などの持病が悪化しないよう、塩分制限やタンパク質制限などといった治療食にも対応しており、嚥下機能が低下している方には、嚥下食の提供も可能です。利用者個々の状況に応じて、いつでも最適な食事を提供してもらえるのが大きなメリットです。

老健(介護老人保健施設)のサービス内容⑤レクリエーション

老健では、他の介護施設と同様にレクリエーションを受けることができます。

レクリエーションは、身体機能の維持・回復が見込めるだけでなく、ストレスの解消や他者との交流が可能というようなメリットがあるため、慣れない生活を送るうえでのリフレッシュの時間にもなりえます。

老健で行われるレクリエーションとしては、以下の通りです。

  • 手芸・書道
  • ボードゲーム
  • 脳トレ・クイズ
  • アロマ・アニマルセラピー

※これらのレクリエーションは一例になります。

老健でのレクリエーションは、基本的に自由参加となっているため、その時の気分や体調に応じて参加を決めることができるのも1つのポイントです。

また、気分や体調などに関わらず、他者とのコミュニケーションが苦手、好ましくないという方も参加する必要はないため、心配はいりません。

事前に施設に相談することで、レクリエーションとは異なる方法でリフレッシュできる方法を考えてくれるケースもあるため、まずは施設に相談してみるといいでしょう。

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老健のサービス内容に関する注意点

老健は、在宅復帰を目的とした介護施設であるため、専門的なリハビリをはじめとした多様なサービスを受けることができますが、以下のような注意点があります。

  • 一部の生活支援は充実していない
  • 対応できない医療行為も存在する
  • ずっと入所していることはできない
  • 高価な薬の処方はできない
  • 他施設と比べるとレクリエーションが充実していない

それでは、1つずつ紹介していきます。

一部の生活支援は充実していない

老健のサービス内容の注意点として、一部の生活支援は充実していない点が挙げられます。

老健では、掃除やベッドシーツの交換などの生活支援は受けることができますが、洗濯や買い物代行といった生活支援は受けられないケースがあります。

それらの生活支援が受けられないケースでは、ご家族の方が洗濯ものを持ち帰り洗濯する、もしくは外部業者に委託する必要があるため、注意が必要です。

なお、これらの対応は施設によって異なるため、入所を検討している方は把握しておくといいでしょう。

対応できない医療行為も存在する

老健のサービス内容の注意点として、対応できない医療行為も存在する点が挙げられます。

老健は医師や看護師の常駐義務があるため、充実した医療行為を受けることができますが、病院と同じような設備を整えるのが難しいという理由から、対応することができない医療行為も存在します。

どこまで高度な医療行為に対応できるかは施設によって異なるため、希望する医療行為が受けられるか心配という方は、面談や施設パンフレットなどを活用し事前に確認することをおすすめします。

ずっと入所していることはできない

老健のサービスにおける注意点として、ずっと入所していることはできない点が挙げられます。

というのも、老健はあくまでも在宅復帰を目的とした施設であることから、在宅復帰が可能な状態と判断された場合は退所する必要があるためです。

老健は、費用が安く、サービスが充実しているため、長く入所していたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にずっと入所していることはできないため、注意が必要です。

高価な薬の処方は難しい

老健では、高価な薬の処方は難しいとされています。

というのも、老健で処方される薬の料金は月額費用に含まれているため、高価な薬を処方してしまうと、赤字経営になってしまうためです。

これが原因で、今まで処方されていた薬の処方ができないケースや、入所を拒否されてしまうケースもあるため、注意が必要です。

他施設と比べるとレクリエーションが充実していない

老健は、他の介護施設と比較するとレクリエーションが充実していないと言えます。

もちろん施設の方針によって異なりますが、介護施設ではレクリエーションは毎日実施しているケースが多いですが、一方の老健は、レクリエーションは毎日実施しているわけではないため、その点については注意が必要でしょう。

入所者によっては、レクリエーションがないことで日中の時間が退屈で仕方がないという方もいらっしゃり、ストレスが溜まってしまうケースもあるため、把握しておきましょう。

老健(介護老人保健施設)のサービス内容を理解して、入所の判断をしよう

本記事では、老健のサービス内容について解説しました。

老健は、介護や医療ケアに加えて、充実したリハビリサービスを受けることができますが、一方で看取りが困難な点、生活支援が充実していないケースもある点など、人によってはデメリットと言える点もあるため、注意が必要です。

本記事で解説したサービス内容について、しっかりと把握したうえで利用を検討しましょう。

老健のサービス内容は?

老健では、「リハビリ」「医療ケア」「介護・生活支援」「食事の提供」「レクリエーション」といったサービスを受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

老健のサービス内容の注意点は?

老健のサービスにおける注意点としては、「看取り体制が整っていない可能性がある」「買い物代行や洗濯といった生活支援は充実していない」などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

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