老人ホームへの入居を検討している方の中には、いわゆる「高級老人ホーム」に興味を持っている方もいるでしょう。
高級老人ホームとは、入居にかかる費用が高額な分、豪華な設備や手厚いサービス体制が整えられており、富裕層の方を中心に人気がある施設です。
一見、豊かな生活が約束された施設のように思えますが、施設選びに失敗してしまうと、精神的に追い詰められ退去してしまうケースもあります。
そんな事態を避けるべく、この記事では高級老人ホーム入居の失敗談や失敗の原因、入居前にチェックするポイントについて紹介します。
ご参考になれば幸いです。
高級老人ホームの失敗談
前述の通り、高級老人ホームに入居しても、精神的苦痛に耐えられず退去してしまうケースは珍しくありません。精神的苦痛を招く要因は、施設の雰囲気や食事の好み、ご本人との相性など人によってさまざまです。
ここでは、実際に高級老人ホームに入居して失敗してしまった方のお話をいくつか紹介します。
入居者の話し声がストレスに
一戸建ての自宅の階段が億劫になり高級老人ホームに入居した女性のお話です。
しかし、暮らしていくうちに入居者の話し声が気になるように。耳の遠い入居者も多いのか話し声が大きく、けれど「仕方がないこと」と納得するしかありませんでした。
食堂や談話室などの共用スペースはもちろん、廊下なども賑やかで、落ち着く空間は自室のみ。
賑々しいのを避けていると次第に自室に籠りがちになってしまい、気分は落ち込んでいくばかりです。
半年間そのままの環境で頑張りましたが、精神的苦痛に耐えられず別の老人ホームに移ることにしました。
今度は失敗したくないと「老人ホームを探してくれるコンシェルジュ」に相談することにしました。
静かな雰囲気で、大人として入居者を扱ってくれる施設を希望し、今ではピッタリの施設で充実した生活を送っています。
引用元:MY介護の広場「高級老人ホームコラム」
このように、ご本人と施設の雰囲気が合わないことで精神的苦痛を感じてしまうケースは少なくありません。1回の見学で施設の雰囲気を把握するのは困難ですが、何件か見学し比較検討することで施設ごとの雰囲気の違いも見えてくるでしょう。
食の好みが合わない
夫が逝去したことで生きがいをなくしてしまい、寂しさから老人ホームへの入居を決めた女性のお話です。
当日は内見と食事の試食を行い、気に入ったためすぐに入居することを決断しました。
入居初日。最上階にある温泉に入り、初めての食事を終えたのですが、ご本人は違和感を覚えたといいます。
食器やカラトリーは良いものを使っており、盛り付けにもこだわりが感じられました。ただ、味が薄味で、自分の好みとは違うと感じたそうです。
見学の時に食べた食事との明らかな違いを感じ、施設の担当者に確認したところ、見学の時の食事は月に一度の特別メニューだったとのこと。
見学時にそのような説明を聞いた覚えはなく、ご本人は落ち込んでしまいます。
徐々に食欲がなくなり、5キロも瘦せてしまいました。
その後、自宅へ一時帰宅し、そのまま一度も施設へ戻ることなく退去を決めました。
今は月に1件見学をし、食事の好みが合う施設を見つけることにしたそうです。
引用元:MY介護の広場「高級老人ホームコラム」
食の好みの違いから退去に至る方も少なくありません。見学時には、食事の試食が複数回可能か尋ねておきましょう。1回の試食ですべてを判断するのは困難なので、普段のメニューや味付けなど気になることは聞いておくのが賢明です。
過剰なサービスがストレスに
奥様が亡くなったことをきっかけに老人ホームへの入居を決意した男性のお話です。
そのホームは評判が良く、なんでも職員の方の気遣いが素晴らしいとのこと。
見学に行くと、建物は綺麗で、愛犬と居住可能な居室もあり、条件通りの施設だったのですぐに契約を決めました。
しかし、入居してから1週間が経つ頃、ホームの職員に対してストレスを感じ始めました。というのも、サービスの一環なのか「困っていることはありませんか?」と聞いてくるためです。
もともと、ご本人は人付き合いが得意ではなく、やたらと話しかけてくるのが面倒に感じられたのです。
文句を言うほどの話でもないと我慢していましたが、愛犬の散歩中や食事中など、プライベートの時間にも声をかけてくるのが耐えられず、結局は退去を選択することにしました。
現在は「コンシェルジュ」にホーム探しを任せており、施設との相性を客観的に判断してもらえそうと紹介を楽しみに待っているそうです。
引用元:MY介護の広場「高級老人ホームコラム」
このように、評判がいい施設でもご本人との相性によっては生活がストレスになってしまうこともあります。1件の見学で判断するのではなく何件も見学し、ご本人が何を求めているのかしっかり把握できるといいですね。
施設選びに失敗したくないという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
ピッタリの施設を提案します
高級老人ホーム入居に失敗する原因
高級老人ホームへ入居するにあたり、失敗する原因について紹介します。
主な失敗する原因は、以下の通りです。
- 検討不足
- 家族間での話し合いが不十分
- 老人ホームに対する知識が不十分
それでは原因ごとに詳しく見ていきましょう。
検討不足
おそらく、入居後の失敗を招く1番の原因が「検討不足」によるものでしょう。
前述の失敗談でもそうですが、1件の見学のみで判断してしまうケースが少なくありません。見学を1件で済ませてしまうと、施設に対するイメージとの比較や自分の求める条件を満たしているかどうかを判断することしかできません。何件か見学を行いホーム同士を比較することで、ご本人がホームに何を求めるかも自然と見えてくるでしょう。
入居待ちの多い施設では、職員が契約を急かしてくるケースもあるため焦る気持ちも分かりますが、失敗してしまっては元も子もありません。焦って決めるのではなく、時間をかけてでもご本人にピッタリの施設を見つけることをおすすめします。
家族間での話し合いが不十分
家族間での話し合いが不十分であったため、失敗してしまったというケースも少なくありません。
高級老人ホーム選びでは、特に「ご本人がすべて独断で決めてしまう」ケースに気を付ける必要があります。もちろん、入居者ご本人の意向や嗜好は大切ですが、ご家族による客観的な視点からのアドバイスを得られないと、「施設との相性」を見抜けない可能性が高いです。
世間的には評判が良い施設であっても、ご本人には合わないというケースもあります。見学に行くと、ついつい気分が高揚し細かいところには気付きづらくなるものです。可能な限り、施設の見学には入居者本人だけでなくご家族の方も一緒に行くようにし、客観的な意見も取り入れるようにしましょう。
老人ホームに対する知識が不十分
そもそも老人ホームに対する知識が不十分であることが原因で失敗してしまうケースも少なくありません。
例えば、老人ホームに対する知識がない状態で見学に行く方がいらっしゃいますが、あまりお勧めはできません。基礎知識や事前準備がない状態で施設の見学に行っても、職員のセールストークを聞くだけになってしまい、施設の良し悪しを正常に判断することができないためです。
一方的なセールスを避けるため、まずは老人ホームについての知識を深め、施設に求める条件を決めてから見学に行くようにしましょう。「近くに公園がある」「趣味を楽しめる」「賑やかな雰囲気がいい」など、施設に求める条件があると、見学時も入居後の暮らしをイメージしやすくなるでしょう。
最低限「老人ホームとはどんな場所なのか」「どんな施設があるのか」だけでも把握しておくと、施設探しを進めやすくなるでしょう。
高級老人ホームの入居に失敗しないためにチェックするポイント
入居後のミスマッチを防ぐべく、高級老人ホームの見学時にチェックするポイントを紹介します。
主なチェックポイントは、以下の4つです。
- 施設の雰囲気
- 周りの環境・アクセス
- 職員の対応
- 食事の好み
それでは、項目ごとに詳しく見ていきましょう。
施設の雰囲気
見学の際は、施設の雰囲気を確認してみましょう。施設の雰囲気に馴染めなかった場合、精神的苦痛から退去に至るケースも少なくありません。
「職員や入居者同士の距離が近く賑やかな雰囲気」「自分の時間を大切にできる落ち着いた雰囲気」など、施設によって雰囲気や方針がさまざまであるため、普段の暮らしが大きく変わるといっても過言ではありません。見学時にしっかりと確認するようにしましょう。
入居者の方の表情や職員の対応など、施設の見学をしながら観察してみると、次第に施設の雰囲気や職員と入居者の関係性などが見えてきます。
また、可能であればレクリエーション中の様子などを見学してみましょう。レクリエーションの様子を見学することで入居者同士の雰囲気や関係性が見えてくるため、入居後の暮らしをイメージしやすくなるでしょう。
周りの環境・アクセス
周りの環境やアクセスを確認することも重要なポイントです。
例えば、万が一の事態に備え病院は近い方がいいですし、身近なもので言うとコンビニやスーパー、体を動かすのに最適な公園など、普段の生活サイクルを考慮し、必要な施設の立地やアクセスは把握しておくべきです。
「老人ホーム自体には満足していたけど、利便性が悪くて退去を決めた」という話も珍しくはありません。
見学時に、職員の方に尋ねてみれば病院や公園などに案内してくれることもあります。せっかく見学するのですから、ホームだけでなく周りの環境やアクセスも確認するようにしましょう。
職員の対応
見学時には、職員の対応もよく確認するようにしましょう。
入居後、職員の対応にストレスを感じ退去を決める方もいらっしゃいます。施設の職員とは殆ど毎日顔を合わせることになるため、ちょっとした不満であっても積み重なってしまえば大きな負担になります。
そういったミスマッチを避けるべく、見学時は職員の身だしなみや挨拶の仕方、言葉遣いなどに注目しましょう。加えて、職員の疲れ具合等も要チェックです。人員配置が不十分である場合や職員にとって働きづらい職場である場合、顔や態度に出るものです。職員がそのような状態では、入居後に気持ちよく生活できるはずもありません。
また、ご本人との相性という観点も忘れてはいけません。一般的には丁寧で親切な職員であっても、ご本人と相性が悪い場合はストレス要因となってしまうことも十分に考えられます。
1回の見学で判断するのは難しいかもしれませんが、可能な限りチェックするようにしましょう。
食事の好み
施設の食事がご本人の口に合うかどうかも重要なポイントです。
高級老人ホームでは、食事に力を入れているところが多いため質が悪いという心配はあまりないのですが、前述の失敗談のように味付けが合わないというケースはない話ではありません。施設へ入居した後は、基本的に施設が提供している食事を毎日食べることになるため、好みの違いがストレス要因となることもあるでしょう。
そのため、可能であれば見学時に試食させてもらうことを推奨します。大抵のホームでは試食を受け付けているため、昼食の時間帯に見学に行くといいでしょう。
老人ホームの食事については下記の記事をご覧ください。
老人ホームでは食事が重要!食事がおいしい老人ホームを選ぶポイントを解説
施設探しが大変という方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、見学予約から日程調整まで無料で代行しているためスムーズな施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
ピッタリの施設を提案します
施設選びに困ったら相談しよう
高級老人ホーム入居の失敗談や、失敗の要因、入居前にチェックするポイントについて紹介してきました。
この記事での話を踏まえたうえで、それでも失敗が怖いという方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、プロに相談することをお勧めします。私たちケアスルは、相談や見学の予約代行等のサービスを無料で行っていますので、どうぞご気軽に活用ください。
また、「コンシェルジュ」を頼るのも1つの手です。コンシェルジュは希望する条件に沿った施設の紹介や施設見学時の同行など、施設探しのサポートを行ってくれるサービスです。相談は無料というところが多いので、施設探しに困っている方は相談してみてもいいかもしれません。
主に「検討不足」「家族間での話し合いが不十分」「老人ホームについての知識が不十分」などの理由が挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
失敗しないためには、見学時にいくつかのポイントをチェックする必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。