介護老人福祉施設の入居は誰に相談すればいい?施設の種類や入居の流れを解説

介護老人福祉施設の入居は誰に相談すればいい?施設の種類や入居の流れを解説

介護老人福祉施設の入所は誰に相談すればいい?施設の種類や入所の流れを解説

同居している高齢者家族の介護が困難となった場合、施設入所を検討される方が多いと思います。しかし、どのような施設でも各施設によって受け入れ状況に変動があり、スピーディーな入所に至らない場合があります。

日本全国の高齢者では29万人が介護老人福祉施設への入所を待っているのが現実であり、施設入所への相談や段取りは少しでも早い方がよいです。

この記事では、入所が難しいといわれている介護老人福祉施設とはどのような施設なのか、種類・条件・施設入所申請に至るまでの流れ・相談窓口などを詳しく説明していきます。

老人ホームの種類について知りたい方は、以下の記事も参考になります。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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介護老人福祉施設とは?

介護老人福祉施設とは、介護困難などの理由により自宅で生活できなくなった方が入所できる施設です。介護保険法に基づき、入所に至った方はあらゆる介護サービスを受けられます。

介護老人福祉施設で受けるサービスといっても、個人的条件や介護度などによって種類はさまざまですが、基本的な日常で行われる生活動作を主軸とした介護サービスを受けられます。主な施設内での介護サービスは以下の通りです。

  • 食事内容については好き嫌いや食べやすさ、飲みやすさ、個人個人の栄養状態などの観点から管理栄養士の介入や食事介助
  • 入浴については施設によって若干の異なりはあるが、1週間につき2回の支援を受けられる(内容として、福祉用具を使用した洗体、洗髪、皮膚状態の観察などの支援等)
  • トイレ動作では、移動や移乗の介助や、衣服の着脱、陰部清拭、おむつ交換など介助サービス

なお、排泄に関しても自力で続けてほしい動作については、利用者の残存能力を活かしつつ、事故が起こらないように介護スタッフがサポートしています。

ただし、ポータブルトイレや洋式トイレ便座に安定して座ることができない方に対しては、やむを得ずおむつ交換による排泄介助に移行する場合があります。

特養(特別養護老人ホーム)は介護老人福祉施設と同じ?

よく、同様の入所施設で特養(特別養護老人ホーム)の名前を耳にするかと思いますが、どう違うのでしょうか。結論としては、名前は違いますが同じ施設です。

「特養(特別養護老人ホーム)(指定介護老人福祉施設)」とも表現されています。実際は、老人福祉法と介護保険法という根拠法が違うのです。

自宅において満足な介護を受けられなくなった方が入居する施設であり、目的や介護サービスなどは同じ内容ですので、名前が違うからといって不安を感じる必要はありません。

混乱を避けるため、これからお伝えする内容では「特養」ではなく「介護老人福祉施設」の名称を使用していきます。

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また介護老人福祉施設への入居をお考えの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

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介護老人福祉施設の入所条件や待機状況

介護老人福祉施設とは、自宅で生活される中で、やむを得ず満足な介護が受けられなくなった方が入所できる施設です。地方公共団体や社会福祉法人などが運営しているため、公費により安価で入所できるのがメリットです。

介護老人福祉施設への入所条件は、以下のようになります。

  • 介護保険における要介護度3以上の認定を受けている(65歳以上の方もしくは40歳~64歳で特定疾患を持つ方)
  • 要介護度1~2の方でも特例で入居できる場合がある
  •  介護度は1〜2で、認知症や知的障害などにより自宅での生活が困難になった。
  • やむを得ず、自宅生活において、家族等からの満足な介護が受けられなくなった等

また、入所条件がそろって施設への申請が完了しても、入所を待ち望んでいる多くの待機者がいらっしゃるため、すぐに入所できない場合がほとんどです。

介護老人福祉施設の特徴は?

介護老人福祉施設の特徴は、自宅で満足に介護を受けられなくなった高齢者が安心して長期的に入所しながらも、公費の補助を受けながら自己負担を少なくできるのが最大のメリットです。

デメリットとしては、要介護3から要介護度5の方が対象のため介護度が低い方は入所できず、費用が安く人気であるため入所するまでに時間がかかる点が挙げられます。

また、介護老人福祉施設内には、自宅生活を継続しながら利用できる「短期入所生活介護」と「老人デイサービス事業」があります。

短期入所生活介護

「短期入所生活介護」は一般的に「ショートステイ」と呼ばれており、長期入所者と同様、施設内で介護を受けながら一定期間入所できるサービスです。

「短期入所生活介護」の対象者は、要介護認定を受けた方かつ自宅で家族の介護を受けながら生活されている方となります。

短期入所生活介護は、家族の冠婚葬祭出席や、旅行といった介護負担からの一時的解放によるリフレッシュを目的として多く利用されています。

ちなみに、同じ「ショートステイ」でも、老健(介護老人保健施設)における「短期入所療養介護」は、リハビリや医療的ケアを受けながら短期入所ができる介護保険サービスです。

「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」を混同しないよう注意しましょう。

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老人デイサービス事業

高齢者にとって、日々の生活リズムを保持するのは大事であり、メリハリのある毎日を送るために、日中の活動の場を提供する必要があります。それが「老人デイサービス事業」です。

老人デイサービス事業は介護老人福祉施設に併設しており日帰りにて入浴・食事・排泄・見守り・機能訓練・趣味活動といった介護支援を受けるサービスです。

ここで、補足として老人デイサービス事業と老人デイサービスセンターの区別について説明します。基本的なサービスを専用の設備により提供している(独立した施設として位置づけている)場合は「老人デイサービスセンター」であり、介護老人福祉施設等に併設された設備でサービスを提供している場合は「老人デイサービス事業」と区別しています。

これらは、在宅からの利用者がスタッフの送迎により通所される「日中の通いの場」となっています。また施設によっては、通所サービスだけでなく、スタッフが利用者の居宅を訪問して、入浴や食事介助などを行う訪問事業を行っている所もあります。

対象は、65歳以上の高齢者で心身の問題を抱えているために、入浴や排泄、食事などが困難な人を対象とした種類の福祉施設です。専門職は、生活相談員、介護職員、看護師、機能訓練指導員、調理員などです。昨今では、介護老人福祉施設に併設せず、単独で運営している老人デイサービスセンターが増えてきました。

また、老人福祉法で言えば「老人デイサービスセンター」との名称になりますが、介護保険法では、「通所介護事業所」と呼ばれています。

利用できる対象は基本的に要介護認定を受けられた方が多いですが、、介護予防の点から要支援の方でも相談に応じてくれる事業所もあります。

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介護老人福祉施設と間違われやすい施設とは?

介護老人福祉施設は、要介護度の高い高齢者が利用する入所施設です。

例えば、「老健(介護老人保健施設)」は機能も名前も似通っているため、同じ施設として間違われる傾向があり、入所施設を検討する本人や家族にとっては困惑してしまう場合があります。

また、有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者住宅)や、介護医療院などほかにも種類があるため、施設を検討するうえでそれぞれの特性を知っておけば、迷わずに施設を選定できるでしょう。

老健(介護老人保健施設)

老健(介護老人保健施設)とは

介護老人福祉施設が、介護支援を受けながら生活する入所施設であるのに対し、老健(介護老人保健施設)は、医療的ケアを受けながら入所できるのが特徴です。

入所中は、容態にあわせた医師や看護師による処置や処方、介護職員による介護、リハビリ専門職による手厚いリハビリテーションを受けながら自宅復帰を目指します

入所の期間は原則設けられてはいますが、リハビリの進捗状況や自宅受け入れにおける環境設定や家族背景などの要素から、入所期間が長引いてしまう場合もあります。

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有料老人ホーム

有料老人ホームとは、高齢者が健康を維持しつつ生活できるよう、食事サービス、介護サービス、家事援助、健康管理などのサービスがついた施設です。

介護保険制度における「特定施設入居者生活介護」として、介護保険の給付の対象となっていますが、民間企業が運営していることが特徴です。

また、有料老人ホームは3つに分けられ、種類は以下の通りです。

介護付き有料老人ホームは、基本的に施設の中で介護サービスが提供されるため、外部の介護保険サービスは利用できなくなります。 住宅型有料老人ホームは、入居後も継続して在宅にて今まで利用していた介護サービスを利用することも可能です。担当の居宅支援専門員(ケアマネージャー)に事前に相談するとよいでしょう。

それぞれで入居対象やサービスが変わってきますので注意しましょう。

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サ高住(サービス付き高齢者住宅)

サ高住とは

サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、主に安否確認や生活相談、そのほか各施設によってオプションが異なりますが、食事の提供や外出・買い物の付き添いなどのサービスを受けられる施設となります。

サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、有料老人ホームに比べて自由度の高い暮らしを送れることが特徴です。入居を検討する場合には、情報収集を行い、見学やパンフレットなどを見ながら入居する方に適しているかどうか吟味が必要です。

ある程度は自分でできるけれど高齢世帯では色々と心配など、介護度が低い方に検討されることが多い施設ですが、実際は、軽度認知症や高齢による虚弱化によって、自宅や地域で自立した生活が難しくなってきた高齢者が入居対象となる傾向があります。

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介護医療院

介護医療院とはどのような施設?特徴やかかるコストなどを解説

介護医療院は、2023年度末で完全廃止となる予定の「介護療養型医療施設」に代わり、介護保険事業に則って新たに法定化された施設です。

入所対象は、医療管理や介護、機能訓練が必要な高齢者で、看取りやがんによるターミナルケアにも対応しています。また、もともと医療的ケアを行っている施設であるため、もし体調が急変しても転院などの負担が無く、長期的な療養生活を送れます。

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入所したい場合誰に相談すべきか

ここまで、介護老人福祉施設や類似した施設について解説してきました。もし、それぞれの内容について理解できたとしても、選択肢が多いためどの施設を選んだらいいのか迷われるかもしれません。もしかすると入所までしなくても、介護保険などのサービスを上手く利用すると、自宅生活が続けられるかもしれません。

介護について困った時は、以下の3つに相談するとよいでしょう。

  • 公的な機関に相談する(市役所・地域包括支援センター等)
  • 地域の民生委員に相談する
  • 直接入所施設に相談する

どんな些細なことでも勇気をもって悩みを相談すれば、解決にむけての糸口が見つかるかもしれません。3つについて詳しく解説していきます。

公的な相談機関に相談する

公的な相談機関として、各市区町村にある役所や地域包括支援センターがあり、気軽に相談ができる体制が整っています。

各窓口には、専門的な知識を有しているスタッフが在籍しており、必要に応じて介護保険や福祉サービスなどの紹介、施設入所への連携なども対応してくれるため安心です。

各市区町村にある役所に相談に行く場合には、大まかな相談を受けてくれたあとに、より細かく専門的な相談のできる地域包括支援センターや居宅支援事業所など窓口になるリスト情報を提供してくれます。

また、地域包括支援センターは、高齢者一人一人のケースに応じた具体的サポートを行う他、、状態によっては、民間の居宅支援事業所と契約してさらに細かいケアプラン作成を進めたりします。

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地域の民生委員に相談する

日本全国の各地域には、厚生労働大臣から委嘱された民生委員が配置されています。

民生委員は、各地域の住民一人一人の個人を尊重しつつ相談に応じたうえで、困っている内容に対して、必要な措置やサービスを一緒に探してくれます。

また、各地方自治体職員や居住区の公民館役員、各地域の区長さんなども包括的に相談に乗ってくれる役割を担っています。気軽に相談してみましょう。

直接入所施設へ問い合わせする

公的な相談窓口や地域の民生委員などに相談し、介護についての悩みに活路が開けたら直接入所施設へ問い合わせするとより具体的な動きが出てきます。

先述したように、入所施設については、沢山の種類があります。

  • 自分の家族が本当に入所に適しているのか
  • 必要なサービスが受けられるか
  • 環境は整っているか
  • 施設職員の接遇はきちんとされているか

上記の項目を踏まえながら施設を訪ねて見学し、入居相談員に話を聞いたりパンフレットなどの参考書類をもらったりして情報収集を行いましょう。

また「入居前の手続きが大変そう…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。

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まとめ

ここまで、介護老人福祉施設について解説してきましたが、まとめると以下の3つが挙げられます。

  • 自宅で十分な介護を受けて生活できなくなった高齢者の方が入所でき、安い費用で生活に必要な介護が受けられる。
  • 類似した入所施設があり、施設でのサービス内容や入所条件がそれぞれ異なるため、明確に区別して施設を選ぶ必要がある。
  • 公的機関、地域の相談窓口、民間の施設相談窓口に相談すれば、高齢者の自宅介護や入所相談についての不安を除去できる。

とにかく一人で悩んでいても始まりません。介護する側が疲れてしまう前に、情報を仕入れ、相談窓口を頼り、適切な介護サービスや入所施設の選択が行えるようにしましょう。

Q.1か月の入所費用はどのぐらいですか?

A.一定の額ではなく、個人の介護度や年間での収入によって差があります。問い合わせすれば、大まかなシミュレーションをしてくれる施設もあります。

Q.例えば入所者の住所と、入所しようとしている介護老人福祉施設の住所が同じでなくても申請は可能ですか?

A.可能です。ただし、生活保護や各種支給金を受け取る場合は、条件として「同一市区町村の施設であること」と定められていることもあるので注意しておいてください。

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