杖の種類・選び方は?目的ごとの使い分けも解説!

杖の種類・選び方は?目的ごとの使い分けも解説!

「歩行や立ち上がることが辛く、杖の購入を検討している」「杖はどんな種類に分けられていて、自分はどんなものを買うべきなのか分からない」と考えている方はいませんか?

今までの人生であまり使い慣れていないと、どんな杖をどのように使用したらいいのか中々分かりませんよね。

そこで今回の記事では、杖の種類と目的別の使い分けについて丁寧に解説をします。ぜひ参考にしてくださいね。

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杖はどんな時に使って歩くのが適切?

若い頃や問題なく1人で歩ける年齢の場合はあまり馴染みのない杖。歳を取ったり怪我をしたりと使わなければいけなくなって初めて使用し始めた方が多いでしょう。

初めて杖を使用するとなると、どのようなときに使用して歩くのが適しているのかがわからなくて悩んでしまいますよね。

ここでは、杖をどのようなタイミングで使用するべきなのかを解説をします。これから杖を使って歩く方は、ご自身に当てはめながらご覧ください。

足腰への負担を減らしたい

足腰への負担を減らしたい方に、杖が使用される場合が多いです。腰や膝などの体重がかかる部分を痛めてしまった方にとっては、立ったり歩いたりするのは非常にきついものです。

そんな時に杖を使って歩くと、足腰にかかる重さを分散できます。そのため、膝や腰への痛みに悩んでいる方にとって杖は非常に強い味方となるでしょう。

後述しますが、ご自身の状態に合わせた最適な杖を用いると、腰や膝を痛める前のような軽やかな歩きができるかもしれません。足腰への負担を減らしたい方は、ぜひ杖の使用を検討してください。

安全に上手くバランスをとった歩行を行いたい

「体の痛みはそこまでひどくないけれど、足元がおぼつかなくなってきた」「筋力が衰えて、上手くバランスをとって歩けるか不安」と考えている方にも、杖の使用は適しています。

杖を使って歩くと、加齢により衰えた足の筋力や違和感のある部分の力を補えるからです。

杖を使用してふらつかず上手くバランスをとった歩行をできるようになればその分安全性も増すため、家族に足腰の不安な方がいる場合のプレゼントに適しているといえるでしょう。

また、杖を使用すれば体を支えつつ歩けるようになるため、街中を歩いて転倒することを防げます。もし、杖を使用せずに歩いていて転倒してしまったら、大怪我を負ってしまうかもしれません。

転倒の危険性を防ぐためにも、杖を使用して安全に上手くバランスをとった歩行を行うことは大切です。

「大丈夫」と自信を持って歩きたい

足腰が弱り、少しの外出にも転倒や怪我のリスクが生じるようになると、中々積極的に外出に踏み切りにくくなってしまいますよね。

外出しないと地域の方との交流や買い物もしづらくなり、室内での生活環境までもが悪化してしまう可能性もあるでしょう。

先述のように、杖を使って歩くと足下のおぼつかなさをカバーでき、杖を使えば歩ける自信にもつながります。歩行時に杖を使用する遠出、外出にも積極的に臨めるようになり、生活する環境を整えられる可能性も高まるでしょう。

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杖にはどんな種類がある?

ここまで紹介してきたように歩行や自立の助けになる杖ですが、複数の種類があるのでそれぞれのシチュエーションに合わせて使い分けることが大切です。

もし、自分に合わない杖を使用し続けてしまったら自分の身体にさらなる負担を与えてしまうかもしれません。

そこでここからは、杖にはどんな種類があるのか、それぞれの杖をどのようなシチュエーションで用いるのが適切なのかを解説します。ご自身の状態を顧みながら、参考にしてください。

T字杖(1本杖)

T字杖は最もスタンダードな形の杖で、1本足にグリップがついたアルファベットの「T」の形をしています。

この1本足やグリップの構造、重さ、使用されている素材などは非常に多岐に渡り、同じT字杖であっても使用感は千差万別です。

木製で温かみのあるもの、アルミ製で軽く取り回しやすいもの、折りたたみや伸び縮みができ持ち運びに便利なものなどご自身が求める形のものを使用できます。

また、形状も使い方もシンプルなため多くの方にとって使いやすいことがT字杖のよい点です。しかし、そのシンプルさやグリップを握る必要性から下記の2点に注意しなければいけません。

  • あくまでも「ある程度自立した歩行できる方のサポート」
  • 握力の極端に弱い方には向かない

T字杖を使用する際は上記の2つの注意点を念頭に置いたうえで使いましょう。

松葉杖

松葉杖も、T字杖と同様に日常生活で目にする機会の多い杖です。松葉杖の特徴はその圧倒的な安定感で、T字杖のような1本足とグリップに加え、脇当てがついています。

松葉杖を使用することで脇あてに全体重をかけられ、体をバッチリ支えられます。松葉杖の性質上、足や腰の怪我・骨折・マヒなどで体重を支える能力が極端に落ちている方がよく用います。

T字杖と同様に素材や構造に多くの種類があるため、ご自身の状態に合わせたものを使用できるといったのも嬉しいポイントです。

一方で使用には広いスペースを要するため、狭い場所や混み合った場所で使って歩くのには適していません。

多脚杖(3〜4本杖)

多脚杖は、T字杖の接地面が3〜4箇所に分かれているものです。グリップはT字杖と同様の構造ですが、接地面が複数ある分、体重を支える能力がさらに向上した杖であるといえるでしょう。多脚杖は、以下のような方の使用に適しています。

  • 足腰・歩行のバランスが取れずT字杖のみの使用では不安が残る方
  • 腰が曲がっているなど、杖にかかる体重が大きい方

体重をしっかりとかけられるのが強みであるといえますが、複数の足を持つといった構造上、すべての足が均等に接地していなければ本来の効果を発揮できません。

段差がある場所や凸凹した道での使用は少々危険ですので、使用は平坦な場所を選んで行うようにしましょう。

ロフストランドクラッチ

ロフストランドクラッチは、1本足とグリップ、そしてグリップの上に腕を通せる輪っかがついた構造をしている杖です。グリップと腕の2か所で体重を支える、T字杖と松葉杖の間のような性能をしています。

体重を支える場所が増えた分T字杖よりもバランス感に長けており、T字杖では歩行に不安があった方や握力の弱い方でも安心して使えます。

ロフストランドクラッチの輪っかにはO字型とU字型があり、それぞれ以下のような特徴があります。

  • O字型:腕をしっかりと固定するタイプ。バランス感は抜群だが取り外しに時間がかかる。
  • U字型:腕にある程度自由度がある。取り外しは簡単だが、バランス感に欠ける。

上記の特徴を把握したうえで、ご自身の状態と合っているものを選ぶようにしましょう。

杖の種類はどのように選んだらいい?

先述のように、杖にはさまざまな種類があります。また、同じ種類の杖であっても構造や素材、使用感がまったく異なる場合もあります。

そのため、安心した歩行を行うには適切なものを慎重に選ぶのが非常に大切です。そこでここからは、杖の選び方について詳しく解説します。

自分の症状・体調に合わせて杖を選ぼう

杖を選ぶ際にまず考えなければいけないのが「自分の症状・体調」です。

例えばT字杖は多くの方に使いやすい杖として紹介しましたが、握力が落ちてしまっていたり足に重度の麻痺があったりする場合には使用しても思うように取り扱えません。

杖を使って安全に歩行するためには、以下の注意点に気をつける必要があります。

  • 自分がどの程度歩行できるのか
  • 杖を実際に使用可能な身体の状態か
  • どんな場所での使用を想定しているか

上記の注意点をしっかり把握したうえで、ご自身の症状や体調にあったものを選ぶようにしてください。どう判断すればよいのかがわからない方は、お店や施設の方に相談するのもよいでしょう。

自分の体のサイズ/身長に合った杖を選ぼう

自分の身体のサイズや身長も杖を選ぶ際には重視しましょう。もし、自分の体に適したものではない杖を使って歩くと、杖にうまく体重をかけられず、歩くのが不安定になってしまう可能性が考えられます。

例えばT字杖の場合では、およそ地面から手首までくらいの長さのものを選ぶと歩行の際にしっかりと体重を支えられます。

T字杖に限らずほかの杖の場合であっても、自分で実際に杖を持って体重をかけてみて、きちんと体重を支えられるものを選ぶとよいでしょう。適切な長さがわからない場合は、施設の方やリハビリの専門家の意見を聞くのも手です。

強度や重さ、握り心地が自分に合っているものを選ぼう

杖の種類やサイズが決定したら、強度や重さ、握り心地が自分に合ったものを探しましょう。

先述のように、同じ形の杖であっても素材や構造が違い、それによって強度や重さも大きく変わってきます。

例を挙げると、強度の高い杖はしっかりと体重を支えられバランス感のある歩行が可能です。しかし、重く腕や手の負担が大きい場合が往々にしてあります。

このような微妙な違いは実際に使用してみないとわからないため、杖を購入する際にはまず実際に使ってみましょう。

また、重さ以上に見ただけではわからないのが「グリップの握り心地」です。杖によってグリップの形状や大きさは異なっているほか、握りやすい形は人によっても異なっています。上記の点から考えても、実際に試してそのうえで慎重に杖を選ぶのが大切でしょう。

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杖を使って歩く際の種類ごとのポイント

ここまで、杖の種類や選ぶ際のポイントについて詳しく解説をしてきました。

「種類がたくさんあるのは分かったけど、それぞれの杖はどんなふうに使ったらいいの?」と思った方も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、これまで紹介してき多くの種類の杖を使用して歩く際のポイントを、それぞれの杖ごとに詳しく解説します。

ご自身やご家族が実際に杖を使って歩くときにきちんと使えるように、間違った使い方をして予想外の事故に遭うのを防ぐためにぜひ、参考にしてください。

T字杖 – 3点歩行を行う

T字杖を含め、杖を使う際は3点歩行といった歩行法を行うのが大切です。3点歩行は以下のような手順で行います。

  1. まず杖を進行方向に出す
  2. 杖を持っている手と逆側の足を出す
  3. 杖を持っているてと同じ側の足を出す

このような歩行をすると、杖に適切に体重をかけた上手くバランスをとった歩行ができます。

また杖を持つ手は不自由な足とは逆側で、杖を出す位置は足から15センチほど先にするとバランスをとりやすいです。ご自身に合うように微調整を行い、体重をかけやすい位置を探すとよいでしょう。

松葉杖 – 体重のかけ方に注意

松葉杖の場合も、杖を出す位置はT字杖と同様に足の15センチ先くらいです。

松葉杖は基本的に脇で挟んで使用しますが、この際に脇へ体重をかけてしまうと神経を圧迫してしまうので注意してください。脇に体重がかかりすぎないよう、グリップに体重をかけるように意識して歩きましょう。

また松葉杖の場合であっても基本的に3点歩行を行いますが、怪我の程度や歩行のしやすさによってT字杖と異なり右足・右手と左足・左手を交互に出して歩く2点歩行を行う場合もあります。

多脚杖 – 平面上で使って歩く

先述のように、多脚杖は複数の足が均等に接地し、体重をしっかりと支えられるようになっています。

そのため、多脚杖を使って歩く際は、複数の脚すべてが接地できる平面上で使って歩くようにしましょう。

また、すべての足が接地していないと、途端にバランスが崩れて転倒などの大きな事故につながる可能性があります。

多脚杖の歩行方法はT字杖と同じように3点歩行です。杖にしっかりと体重を預けつつ、後ろから足をついてこさせるイメージで歩行しましょう。

ロフストランドクラッチ – グリップの位置調節が大切

ロフストランドクラッチの歩き方や杖を出す位置は、基本的にT字杖などと同様です。3点歩行を行い、足先の15センチほど先に杖を出すようにしましょう。

ロフストランドクラッチに特徴的なのは腕を通す輪っかがある点です。この輪っかとグリップの距離感でロフストランドクラッチでの歩行のしやすさが変わってきます。

輪っかに腕を通したあと、軽く腕を曲げた状態で握れるような位置にグリップが来るように調節をしましょう。その位置にグリップがくると、体重をかけやすくなります。

適切な位置がわからない場合は、店員さんや施設の方に調節してもらうとより正確な位置にグリップを持ってこれますよ。

適切な杖を選び、上手くバランスをとった歩行を手に入れよう

今回の記事では、杖にはどんな種類があるのか、どのようなシチュエーションで用いるのが適切なのかについて詳しく解説をしました。

杖には多くの種類があり、それぞれ使うべきタイミングは異なっています。そのため最適な杖を選ぶのはとても難しいですが、それにより生活の質は大きく向上させられます。

もし、自分と合わない杖を選んでしまったら、大怪我につながる可能性があるため自分に適した杖を選ぶのは大切です。

本記事を参考にしたうえで、適切な杖を選び、安心して歩行ができるようにしていきましょう。

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杖の種類についてよくある質問

Q.各杖を購入する金額の相場は?

A.各杖を購入する金額の相場は、以下のとおりです。

T字杖はおよそ3,000〜6,000円くらい

松葉杖はおよそ4,000〜9,000円

多脚杖はおよそ5,000円〜9,000円

ロフストアンドクラッチおよそ9,000円前後

Q.杖の手入れはどのように行う?

A.杖の手入れをする際は、乾拭きをしたあとに湿気を避けて保管しましょう。杖に直射日光を当ててしまうと変形や痛む原因になり兼ねないからです。ゴムも使用する度に劣化してしまうため、適度に観察して場合によって交換するようにしましょう。

杖をはじめ福祉用品のレンタルや、在宅サービスについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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