• 認知症
  • 【公開日】2022-10-14
  • 【更新日】2023-02-20

認知症カフェは誰でも参加可能!特徴や利用におけるメリットを解説!

認知症カフェは誰でも参加可能!特徴や利用におけるメリットを解説!

認知症をサポートするご家族の方であれば、「サポートについて誰かに相談したい」「同じ境遇の方と情報を共有したい」など、悩みや思いを抱える場合も多いでしょう。

日本では認知症の方へのサポートを地域全体で行えるような仕組みづくりが進められています。その中でも特に利用を検討したいのが認知症カフェです。

多くの自治体で開催されており、気軽に溶け込めるアットホームな場として人気があります。ここでは、認知症カフェの特徴や参加の仕方についてご紹介します。

一般社団法人マリーゴールド 理事
所有資格:ジェロントロジー・マイスター,介護離職防止対策アドバイザー
専門分野:介護施設の選び方、在宅介護
職業: フリーランスのライター・編集者

1973年、宮城県仙台市生まれ。フリーランスのライター・編集として働く傍ら、国内で唯一「老年学研究科」がある桜美林大学大学院に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。離れて暮らす80代義父母の認知症介護にキーパーソンとして関わり、仕事と介護、研究の三つ巴生活が送る。詳しくはこちら

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認知症カフェとは

「認知症カフェ」という言葉を聞いたことがありますか?

認知症カフェは、とても身近な場所で誰でも自由に参加できる気軽な場所です。認知症についての情報交換ができる、同じ悩みを持つ人とつながれる場として全国各地にあります。ここからは、認知症カフェについて詳しい情報をご紹介していきます。

認知症カフェは誰でも気軽に参加できる

認知症カフェと聞くと、認知症の診断を受けた方やその家族だけが参加できるものだと勘違いする方もいるでしょう。しかし実際は、もっと幅広くさまざまなバックグラウンドを持った方々が参加しています。

例えば、以下のような方たちです。

  • 認知症の診断を受けた方とその家族
  • 自分が認知症なのではないかと心配をしている方
  • 以前認知症の方をサポートした経験のある方
  • 地域に暮らす認知症の方を支えたいと考える住民
  • 認知症予防に関する知識を得たい方
  • 介護・医療の分野で仕事をしている専門職

 

つまり、認知症カフェは誰でも参加でき、目的は人それぞれで、色んな出会いが期待できる場です。参加にあたり、条件や制限は特に求められないため、参加したいと思えば気軽に出掛けられます。

認知症の家族を支えた先輩や同じ悩みを持つ人に出会える

認知症カフェで出会える方たちは、みな認知症に興味や関心がある方ばかりです。これまでに認知症の家族を支えた経験のある先輩や、認知症の方と一緒に暮らしている方も参加されています。

もし、認知症の家族の介護で困っていたり、悩みがあったりした場合、同じような悩みや経験を持つ人の支えはとても励みになります。「わたしも同じような経験をしたのよ」と言われると、悩んでいるのは自分だけではないと孤独感も和らぐでしょう。

認知症の方の家族として何を感じ、どう乗り越えてきたのか、またどんな難しさがあったのか、リアルな経験談を聞くと参考になる部分もたくさんあります。

認知症を発症した本人も参加できる

認知症カフェには、認知症の診断を受けた本人も参加できます。「本人を目の前にして認知症の話をするのは大丈夫なの?」と心配される方もいるでしょう。

確かに、認知症を発症して間がなく本人も戸惑っている時などは、タイミングを考えながら参加を検討してもよいでしょう。認知症の症状によっては、環境の変化に敏感で慣れない場所で混乱が激しくなる方もいらっしゃいます。

認知症カフェでは、当事者の方々が傷つかないような配慮のもと、さまざまな活動が行われていますが、もし心配なら運営者や担当のケアマネジャー、認知症の相談ができるかかりつけ医などに相談してみると安心です。

認知症の方の受け入れをしている施設を探しているという方はケアスル介護で探すのがおすすめです。

入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるので、初めてでも安心して相談することが出来ます。

始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。

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認知症カフェが開かれている目的とは

認知症カフェは、以下のような目的のもと運営されています。

  • 認知症の方やその家族が孤立するのを防ぐ
  • ふだんの介護で感じている不安や負担、ストレスを減らす
  • 認知症のサポートや病気に対する有益な情報を共有する
  • 認知症の方が地域で暮らすための社会づくりをする

 

こうした目的のもと、できるだけ多くの方が認知症について考え、関心をもち、当事者やその家族の方々の心を軽くできるように運営されています。

目的を言葉で表すと、少し堅いイメージになるかもしれません。しかし、実際はとても明るく開放的で、参加される皆さんがワイワイと賑やかに同じ時間を過ごされています。

認知症カフェに参加してできること

カフェと聞くとお茶を飲みながら行う雑談をイメージされる方は多いでしょう。もちろん、雑談の時間はそこに集う方々がコミュニケーションをとる時間となるため、必要不可欠です。

しかし、そのほかにも、介護相談やアクティビティなど時間を忘れて楽しめるような企画も多く実施されています。

認知症カフェの運営には、介護福祉士や社会福祉士、看護師など認知症について詳しい専門家も携わっている場合が多いです。普段から、多くの認知症の方々に接しているプロに話を聞いてもらったり、アドバイスを受けられる機会になります。

また、アクティビティについては、体操や手芸、料理などが実施される傾向にあり、それぞれ何が行われるのかは違います。

認知症の人が「お客さん」ではなく「スタッフ」として活躍できるところも

認知症カフェの中には、参加する認知症の方々がコーヒーを提供したり、食器を洗ったりすところも多いです。サービスを受ける側としてただ参加するのではなく、積極的に動けることや役割が持てる場にいることは、認知症の方にとってもよい効果が期待できます。

もちろん、スタッフのように働くような取り組みがなくても、楽しいと思える場所に出掛けるのは色んなメリットをもたらすでしょう。具体的に、どんなメリットがあるのか解説します。

認知症カフェに出掛けてみるメリット

まず、本人にとっては認知症に対して理解のある場となり、安心して過ごせるといったメリットがあります。話すことが難しいなど、コミュニケーションに不安があっても大丈夫です。理解のある方々との関わりにより、笑顔が見られたり前向きな様子が見られたりするケースもあります。

認知症になると、物事への認識や理解、判断が難しくなり、自然と外出の頻度は減っていく傾向にありますが、それでも出掛ける場があることで閉じこもりの防止にもつながります。

家族にとっては、ホッと息抜きができる場となりストレス緩和が期待できる場です。当事者同士だからこそ、悩みを打ち明けやすく仲間もつくれます。自宅で介護して行き詰まったとき、よい関わり方のヒントがもらえる場合もあるでしょう。

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認知症カフェの運営者・開催場所

ここからは、認知症カフェの運営に携わる方はどんな方なのかや、どこで開催されているのかについて見ていきましょう。

運営に携わるのは行政だけではない

認知症カフェは介護事業所やNPO法人、個人、行政、認知症当事者とその家族などが運営しており、1つの市区町村に1つとは限らず、複数運営されている場合もあります。

地域に複数ある場合、1つしか行けないといった決まりはなく、時間や曜日が違えば時間の許す限りあちこち行くことも可能です。

認知症カフェは運営者や内容によって雰囲気も変わるため、行きやすい場所を見つける意味でもまずは見学や参加をしてみて、自分に合った場所を選ぶのもよいでしょう。

自由な運営で場所もいろいろ

認知症カフェの開催場所も、さまざまです。多くの場合、運営者によって場所が決まる傾向にあります。例えば、行政が運営している場合は市区町村役場の一室、個人なら自宅などです。社会福祉法人や医療法人といった介護に関する事業所を運営しているところなら、保有する施設の一室や敷地内の建物が使われる場合もあります。

認知症カフェに参加する方法

認知症カフェに行ってみたいと思ったら、どのように探してどう申し込めばよいのか手順や手続きについてご紹介します。

行政のホームページや地域包括支援センターに問い合わせてみよう

もし、認知症カフェの場所や運営者が分からない場合は、お住まいの地域に設置されている地域包括支援センターに問い合わせると確実です。地域包括支援センターは、認知症の方のサポートをはじめ介護に関するさまざまな相談に応じてくれる場所です。電話でも簡単に聞けるため、問い合わせてみましょう。

行政のホームページから福祉の分野を開くと、そこに情報が掲載されているケースもあります。日頃からインターネットをよく使う場合は、ホームページから確認すると夜間や土日もすぐに確認できます。

参加の条件はあるの?

認知症カフェの多くは、参加条件は特別設けておらず、基本的には飛び入り参加も可能とするところが多いです。しかし、参加できる方を認知症当事者やその家族に限定している場合もあるため確認しておくと安心です。

また、アクティビティの内容によっては、事前の準備の関係で申し込みが必要なケースも考えられます。初めて参加する場合は、その点についても聞いておくとよいでしょう。

認知症カフェの参加は数百円程度のお茶代とするところが多い

参加費の有無についても気になるところですね。多くの場合、無料かお茶代としてワンコイン程度で済むため、あまり経済的な負担はかかりません。

アクティビティの内容によっては、千円以上かかるケースもあります。どんな内容の活動をして、どのくらいの費用がかかるのかは認知症カフェごとに異なるため、こちらも問い合わせておくとよいでしょう。

認知症カフェの頻度と時間

開催される頻度や時間もそれぞれ異なるため注意が必要です。一般的には月1~2回ペースでの開催が多く、1回あたり2時間程度となっています。たとえ頻度や時間が自分に合わなくても、毎回参加する必要はありません。「自分にとって多過ぎるな」と感じる方は、無理のないペースで出掛けてみるとよいでしょう。

もちろん、1度参加してみるだけでも大丈夫です。参加するかどうかは、自由に自分で決められます。

毎月第◯曜日の何時からと決まっている場合が多いため、予定が立てやすいといえるでしょう。

認知症の介護負担を軽減する方法

いざ、家族が認知症になり生活に不自由が出てきたら、本人はもちろんご家族も戸惑い不安になることもあるでしょう。認知症自体は、超高齢社会を迎えた日本では決して珍しくありませんが、その悩みは千差万別です。1人で悩みを抱えてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、認知症の悩みや介護の悩みは、1人で抱え込まないことが大事です。「当事者にしか分からない」と諦めるのではなく、できるだけ不安な気持ちや負担を軽くしてサポートするご家族が元気で暮らす方法を試してみましょう。

認知症介護は支える家族の心のケアも大事

認知症の方を支えるご家族は、精神的なストレスも大きいと言われています。「どうしてこんな症状が起こるんだろう」「もしかして、これからもっと症状が進行するのかな」「いつまで介護が必要なんだろう」など、不安いっぱいな気持ちで毎日を頑張っていると、いつかストレスが溜まりすぎて体調を崩してしまう恐れもあるでしょう。

「私は大丈夫」と思わずに、早い段階で同じ悩みを持つ方たちとの接点をもち、本当に困ったときに相談できる場所や相手を見つけておくことはとても大事です。

大事なのは「1人で抱え込まない」こと

認知症の方のサポートは、「1人で抱え込まないこと」がコツです。自分にしか出来ないと決めつけず、周囲の方々と協力し合い支え合うことを目指してみましょ

戸惑いの渦中にある場合、認知症の悩みを打ち明けるのは勇気がいるでしょう。しかし、長期的に考えると、誰かに少しでもサポートしてもらえると、大きな心の支えになります。

ストレスが溜まりそうになったら愚痴をきいてもらう、そのくらいの小さなサポートでも、心の負担を想像以上に軽くしてもらえるものです。

特に、同じ悩みを持つ人同士の関わりは、お互いの癒しになります。「悩んでいるのは1人じゃないんだ」と思えると、孤独な気持ちも起こりにくくなるでしょう。また、お互いに悩みを打ち明けたり、成功体験・失敗体験を共有したりすると、介護のヒントにもつながります。

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認知症の方を元気に支えていくために認知症カフェに参加してみよう

認知症カフェは、認知症の方やその家族をはじめ、誰もが気軽に参加できる憩いの場所です。

あまり難しく考えずに、参加する人同士でワイワイと楽しい時間を過ごすだけでも気分転換になり得ます。こうした楽しい時間が、認知症の方を支える家族にとって息抜きとなり、知らず知らずのうちにストレス発散にもつなげられます。

知らない人達の和の中に入れるか不安な方も問題ありません。ちゃんと運営される方が場を仕切ってくれるため、「ちょっと覗いてみよう」くらいの気持ちで参加してみてはいかがでしょうか。

誰と一緒に行ってもいいの?

はい、基本的に誰とでも参加できます。認知症の診断を受けたご本人と一緒に行ってもよいですし、親しい友人やご近所の方とでも参加が可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

行けるときに無理なく行きたいんだけど、毎回参加しなくても大丈夫?

はい、参加は強制ではありません。ご自身の無理のないペースで、時間に余裕があるときに参加できます。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

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