脳トレは認知症予防に効果がある?すぐに実践できるおススメ脳トレ10選をご紹介!

脳トレは認知症予防に効果がある?すぐに実践できるおススメ脳トレ10選をご紹介!

「脳トレに認知症予防の効果があるって聞いたことがあるけど本当?」「脳トレを楽しんでもらうためにはどうすればいい?」「どんな種類の脳トレがある?」など悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

脳トレは認知症予防だけではなく、コミュニケーションを取る機会になるなど、さまざまな利点があります。高齢者の方自身やその家族、施設で働いている方で脳トレに関心を持つ方も多いでしょう。

ここでは、脳トレの効果やすぐに実践できる10個の脳トレについて解説します。脳トレを実施する際の注意点も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

東京都健康長寿医療センター 脳神経内科 部長
監修岩田 淳
所有資格:総合内科専門医,日本内科学会認定医,日本神経学会認定神経内科専門医・指導医.日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・指導医,日本認知症学会専門医・指導医
専門分野:脳神経内科
職業: 医師
出身組織: 東京大学大学院医学系研究科

東京大学医学部附属病院神経内科の専門外来「メモリークリニック」にてアルツハイマー病(AD)やレビー小体病、前頭側頭葉型萎縮症等の疾患の診断、治療に従事。早期段階のAD、レビー小体型認知症の診療が専門。2020年4年より東京都健康長寿医療センターの脳神経内科部長として赴任。詳しくはこちら

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脳トレを高齢者が行う理由とは?

脳トレを取り入れている高齢者施設やデイサービスは多いですが、そもそも脳トレはなぜ行うのでしょうか。高齢者を対象とした脳トレには、「認知症予防」の効果があり、コミュニケーションを取る機会になるメリットもあります。

脳トレといっても問題を解いたり、ゲームをしたり、なぞなぞをしたりなど、さまざまな方法があります。これらは、コミュニケーションを取る機会にもなり、脳機能の維持や老化予防に期待できるのです。手軽な方法で認知症予防になるため、高齢者を対象とした施設ではよく行われています。それぞれの具体的な効果についてみていきましょう。

認知症予防として推奨

厚生労働省によると、「認知症は脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態」とされています。

認知症の予防、認知機能を維持するためには、脳を刺激し脳の血流を促すことが大切です。そこで手軽に行える予防法が脳トレです。脳トレの実践で、記憶や学習、感情のコントロールを司る「前頭葉」などに刺激を与えられます。脳の血流が促進され、認知症予防の効果が期待できるでしょう。

・引用:『認知症|こころの病気を知る|メンタルヘルス – 厚生労働省

コミュニケーションの機会

毎日ハツラツと生活し、趣味を楽しんでいる高齢者の方もいるでしょう。

しかし、実際には配偶者との死別により一人暮らしをしている方、高齢者施設に入居しているため家族との関わりが少なく、孤独を感じながら生活している方は少なくありません。このような生活では、社会とのつながりがなく、他者との交流がなくなってしまいます。孤独により、認知機能の低下や認知症のリスクを高め、日常生活動作が低下してしまう可能性もあります。

脳トレを実施すると、ほかの高齢者やスタッフとコミュニケーションを取る機会となり、精神的にゆとりを持てるようになるでしょう。高齢者にとって、他者とコミュニケーションを図る機会を持つことは大切なのです。

脳トレ等のレクリエーションに力を入れている施設が知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

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高齢者がすぐに実践できる脳トレ10選

「脳トレにはどのような方法があるの?」「クロスワードのほかに何かいい方法はあるの?」と疑問に感じている方も多いでしょう。脳トレと聞いて思いつくのはクロスワードや計算かもしれません。しかし、脳トレにはさまざまな方法があります。ここでは数ある中で、すぐに実践できる脳トレを10個、厳選しました。

  • なぞなぞ
  • 読み書き
  • 計算・数字
  • 思い出しクイズ
  • 数独・クロスワード
  • 間違い探し
  • 連想ゲーム
  • 手遊び
  • 歌クイズ
  • 後だしじゃんけん

どの方法も子どもの頃に遊んだ経験があるのではないでしょうか。厳選した脳トレの具体的な方法について解説します。

なぞなぞ

なぞなぞを使った脳トレです。なぞなぞは高齢者施設でよく使われており、高齢者に限らず老若男女誰もが知っているゲームの一つです。

なぞなぞを解くときは、普段と異なる脳の使い方をします。それにより、頭の回転を早くしたり想像力を高めたりする効果が期待できるのです。さらに、なぞなぞの答えがわかったときには、爽快感が得られます。脳にいい刺激を与え、ストレス解消にもつながるでしょう。

四季を取り入れたなぞなぞをすると、高齢者の方も季節を感じながら楽しめます。以下に例題を載せるので参考にしてください。

問題 解答
1 若いころには金髪、年をとると白髪になる花ってなーんだ? タンポポ

(黄色い花が最後は白い綿毛になる)

2 海の中を岩が4つ泳いでます。なーんだ? イワシ

(岩4。イワ4。イワシ)

3 みんなのお腹にある木はなーんだ? イチョウの木

(胃腸の木)

4 丸くて美味しい、「だんだんだんだんだん」ってなーんだ? 団子

(ダンの数を数えてみて)

5 ゾウはゾウでもお正月に食べるゾウってなーんだ? お雑煮

(おゾウに)

あまり難しい問題ばかりだとストレスが溜まり、逆効果になってしまいます。簡単に分かって、「あっ、なるほど!」と感じるなぞなぞがいいでしょう。

読み書き

プリントを使って読み書きをする脳トレです。漢字のクイズやひらがなの穴うめ、並び替えなどさまざまな方法があります。

問題を解くときには、なぞなぞと同じようにいつもとは異なる脳の使い方をするためいい刺激となります以下は読み書きの例題です。

問題 解答
<四字熟語>
  • 〇面楚歌
  • 無我〇中
  • 四面楚歌
  • 無我夢中
<ひらがなの穴埋め>
  • お〇せ〇
  • くり〇んじゅ〇
  • おんせん(温泉)
  • くりまんじゅう(栗饅頭)
<対義語>
  • 広い⇒〇〇
  • 安全⇒〇〇
  • 延長⇒〇〇
  • 狭い
  • 危険
  • 短縮
<並び替え>
  • こねこにんばこ
  • るさきもちかおらる
  • 猫に小判
  • サルも木から落ちる

四字熟語やことわざのクイズなどでは、それぞれの言葉の意味や由来などについても解説するとより興味を持ってもらえ、積極的に取り組めるでしょう。

計算・数字

数字にちなんだクイズや算数問題を解いて楽しむ脳トレです。計算式の答えを解いてもらったり、特定の数字を囲んだり、虫食い計算をしたりなどさまざまな方法があります。以下は、計算・数字の例題です。

問題 解答
<〇に+、ーの記号を入れましょう>
  • 5〇5〇4=14
  • 4〇2〇1=3
  • +、+
  • -、+
<正確に早く計算しましょう>
  • 6+2=
  • 6-3=
  • 5+3-1=
  • 8
  • 3
  • 7

計算問題の脳トレは、特に高齢者のレベルにあった問題を選択しなければなりません。掛かった時間や正答率を記録すると、脳トレに対する意欲向上だけではなく、スタッフや家族が高齢者の心身の状況を把握しやすいメリットがあります。

思い出しクイズ

高齢者の方にとって、なじみ深い昭和時代がテーマとなったクイズの脳トレ。

各時代のトレンドや大きな出来事について出題するとより効果的です。

〇年〇月〇日 〇時〇分 天気〇〇 
今日の朝ごはんは何を食べましたか?
昨日の晩ごはんは何を食べましたか?
好きな歌手を書いてください。
小学生の頃に好きだった科目は何ですか?
春に咲く花の名前を書いてください。

思い出しクイズでは、過去の出来事を思い出したり、話したりすると認知症の予防に効果的です。問題を解きながら周囲とコミュニケーションをとるきっかけとなります。文字の大きさやフォント、形式に注意し高齢者でも見やすいように配慮しましょう。

数独・クロスワード

世代を問わず多くの方が知っている数独やクロスワードを使った脳トレ。脳トレと言われるとまずクロスワードを連想する方もいるほど、多くの高齢者施設や病院で取り入れられています。頭の体操をしながら、遊びの要素もあるため飽きにくいレクリエーションの一つです。

時間を忘れてクロスワードに没頭した経験がある方もいるのではないでしょうか。周囲の方とコミュニケーションをとらずに黙々と取り組めるため、交流が苦手な方や「今日は一人でゆっくりしたい」と考えている方にとって取り組みやすい脳トレです。

鉛筆とクロスワードの本さえあれば場所を選ばないで取り組めます。100円ショップでも販売しているので手に入りやすい利点もあります。

間違い探し

複数のよく似た絵から、異なる箇所を探し出す脳トレ。認知症予防だけではなく、記憶力や観察力、集中力を高める効果が期待できます。クロスワードと同様に高齢者施設で頻繁に実施されるレクリエーションの一つです。

間違い探しは一人でも取り組めたり、周囲と協力しながら取り組めたりするなど、状況に応じた利用が可能です。間違いをすべて見つけたときの達成感も、脳へのいい刺激となります。高齢者向けの本の話でコミュニケーションを深められるでしょう。

間違い探しは、本屋や百均で手軽に購入できるため手軽に楽しめます。嬉しいポイントではないでしょうか。

連想ゲーム

特定の問題から連想できる人物や物、出来事をあげていく脳トレ。代表的でシンプルな古今東西ゲームが高齢者施設で広く実施されています。以下に古今東西ゲームの例題を載せています。

お題 特徴
寿司のネタ 食べ物の中でも種類が豊富であり、誰でも答えられるお題となっています。マグロや鯛などのメジャーメニューだけではなく、カリフォルニアロールや鉄火巻など変わった種類もあります。
花の名前 種類が豊富であり、特に女性には好まれるお題の一つです。回答が続きやすいため、飽きずに続けられる特徴もあります。
都道府県名 古今東西ゲームの定番のお題です。一見簡単そうに感じますが、順番に名前を言うと、どの名前が出たのか分からなくなります。繰り返し考えると脳を活性化できます。
国名 国名をテーマにすると楽しいでしょう。都道府県と同じようにどの国の名前が出ていないのか分からなくなります。考える機会が増えるため脳にいい刺激となります。

連想ゲーム、古今東西ゲームに絞り例題を紹介しています。参考にしてください。

手遊び

手遊びをしながらする脳トレ。指先や手には多くの運動神経や感覚神経が存在するため、脳の活性化に効果が期待できます。以下に手遊びの一例を紹介します。

  • じゃんけん
  • あやとり
  • お手玉
  • 折り紙
  • 手拍子
  • 影絵
  • おはじき
  • ジグソーパズル

これまでに解説してきた脳トレとは異なり、頭を使いながらも積極的に手を使い、さらに複数の作業を同時にしているため、より脳を活性化させます。

手遊びには、特別な道具や準備も必要ありません。手指さえあれば、いつでもどこでも始められるお手軽さもありがたいです。また、身体機能が低下し車椅子を使っている方も参加できる特徴があります。手遊びも高齢者施設では人気のある脳トレの一つといえます。

歌クイズ

「この歌は何でしょうか?」と多くの方が知っている歌名を当ててもらう脳トレ。簡単なゲームのため、レクリエーションとして楽しみながら脳トレができます。周囲とコミュニケーションを取りながら参加できるため、孤独の感じにくさがメリットです。

ほかにも歌当てクイズもあります。3つのヒントから曲名を導き出すクイズです。以下に3つの例題を紹介します。

問題 解答
1
  • 海外ではスキヤキと呼ばれる
  • 坂本九
  • 一人ぼっちの夜
上を向いて歩こう
2
  • 北島三郎
  • 第29回、30回紅白歌合戦
  • ヘイヘイホー
与作
3
  • 横浜のご当地ソング
  • いしだあゆみ
  • ブルーライト
ブルー・ライト・ヨコハマ

ヒントの出し方を工夫すると盛り上がることは、間違いないでしょう。

後だしじゃんけん

「じゃんけんポン・ポン」と一拍遅れてじゃんけんをする脳トレ。テレビ番組で見た経験がある方は多いのではないでしょうか。

事前に、後だしして勝つのか負けるのかなどのルールを決めておきましょう。短い時間の中で考えて、リズム良く、しかも瞬時に行動しなければならないため脳へいい刺激となります。

頭ではわかっていても、なかなか思うように行動できません。グーを出したつもりが、パーを出してしまった、勝つつもりが負けてしまったなんてこともあるでしょう。ルールも単純でみんなで盛り上がることができるため、リフレッシュ効果も期待できます。また、手を動かすため、リハビリの効果も期待できるでしょう。

高齢者が脳トレをする際の2つの注意点

認知症予防の効果が期待でき、コミュニケーションの機会となる脳トレ。周囲と楽しみながらするためリフレッシュできる効果もあります。しかし、脳トレをする際の注意点がいくつかあります。以下の2つです。

  • 正解をだすことが目的ではない
  • 継続することでより効果が期待できる

脳トレをする際に、具体的にどのように注意していけばいいのか詳しく解説します。

正解を出すことが目的ではない

脳トレの目的は、正解を出すことではありません。認知症の予防が目的です。ついつい間違えないようにアドバイスしてしまいがちですが、自分自身で問題やクイズについて考える機会が脳の活性化につながります。

正解を出すことに固執してしまうと、せっかくの楽しい時間が台無しになってしまうでしょう。ストレスとなってしまう可能性もあります。楽しみながら、リラックスして脳をトレーニングすることが大切です。

なぞなぞや思い出しクイズなどで答えを間違えても問題はありません。本人が自信を失うような声掛けや非難するような態度を見せないように注意しなければなりません。

継続することでより効果が期待できる。

脳トレで何より大切なのは継続ですその日だけ、また1回きりの単発では効果はあまり発揮できず、認知症予防の目的達成は難しいでしょう。

難しい問題や複雑な問題にこだわる必要はありません。しかし、対象とする高齢者がどのような問題なら解けるか、楽しめるかなどは把握しなければなりません。

誰でもわかるような簡単な問題やゲームをすると、少しずつ達成感が得られます。この達成感が継続的な取り組みにつながります。また、これまでに紹介した10個の脳トレを組み合わせながら飽きないように実施しましょう。継続が最も重要で、効果を期待できます。

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脳トレを実践して認知症予防に取り組もう!

脳トレは、認知症予防として推奨されており、コミュニケーションを取る機会ともなる効果があります。しかし、継続しなければ効果は期待できないでしょう。誰でも解けるような問題やクイズを出すと、「わかった!」「なるほど!」と感じ、この経験が脳の活性化につながります。

今回は脳トレを継続するための注意点や具体的な方法だけではなく、すぐに実践できる10個の脳トレについても紹介しています。ぜひ実践してください。

高齢者の脳トレに関するよくある質問

Q: 脳トレをするときに高齢者のプライドを傷つけない方法ってあるのでしょうか?

A :コミュニケーションをとりながら苦手なトレーニングを避け、最初は、誰でもわかるような問題を選択しましょう。徐々に難易度を上げると、効果的な脳トレが行えます。

Q :脳トレに参加しない高齢者にはどう接したらいいのでしょうか?

A:参加を強要すると余計に参加しなくなります。いつでも参加できることを伝え、脳トレの効果についても説明するのが大切です。

そのほか高齢者の脳トレやレクリエーションについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

在宅介護や日常のヘルスケアについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

 

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