「診断書が必要と言われたけどどんな書類?」「診断書を安くする方法が知りたい」「医療費・介護費用を安くする方法ってあるの?」
このような疑問を抱えていませんか?
介護施設の入居時や介護サービスを利用時に必要な診断書とは、医師が発行する「健康診断書」です。
本記事では、健康診断書を安くする方法と医療費・介護費用の負担を軽減させる制度を中心にご紹介します。診断書を含め、医療や介護には費用が掛かります。出費を抑えられる方法や利用できる制度をチェックしていきましょう。
介護サービス利用時に必要な診断書とは?
介護サービス利用時に提出を求められる診断書とは、主にかかりつけの医療機関の主治医が利用者の健康状態を記載した「健康診断書」を指します。
介護施設への入所時やショートステイなどの利用時に提出を求められる場合があり、内容によってサービス利用の可否が判断されます。書式は施設によって異なる場合が多く、作成には医療保険が適用されないため、全額自費負担です。
健康診断書が必要な理由
利用者が施設を利用するうえで、施設側が責任を持って対応できる健康状態かを確認するために健康診断書は必要です。利用者の健康状態・既往歴の把握により、適切な介護サービスを提供できます。
また、施設ではほかにも利用者が居るため、感染症の有無によりほかの利用者・スタッフに影響がないかどうかの確認も必要です。施設における安心・安全なサービスの提供に、健康診断書は役立ちます。
健康診断書の項目
介護サービス利用時に必要な健康診断書にはどのような項目があるのでしょうか?
下記で必要な項目の一例をご紹介します。
- 身体測定
身体測定は体格を評価するために実施します。具体的な項目は、身長・体重・体脂肪・腹囲などです。
- 血液検査
血液の採取によりすべての項目の検査が可能ですが、提出先の施設によって必要な項目は異なります。指定されている健康診断書の項目を確認して、必要な検査を依頼しましょう。
具体的な項目は、感染症・総蛋白・貧血・血糖・肝機能・腎機能などがあります。
- 尿検査
血液検査と同様、提出先によって必要な検査の項目は異なります。
具体的な項目は、尿蛋白・尿糖・PHなどです。
- 胸部レントゲン
胸部レントゲンは肺・心臓などに異常がないかどうかをCTで撮影して検査します。CTの設備がない医療機関では検査が受けられないため、設備があるか事前に確認が必要です。
- 視診
視診は皮膚の湿疹の有無など、体の外を見て異常がないかを確認します。
- 問診
問診では自覚症状の有無や、受け答えの様子などを確認します。
健康診断書の準備方法
健康診断書の準備の流れは、以下の通りです。
- 提出先の施設が指定した健康診断書の書式を準備します。
- かかりつけの医療機関がある方は、主治医に健康診断書の作成を依頼しましょう。主治医がいない方は医療機関を選んでから、作成を依頼します。
- 医療機関から健康診断書を受け取って、施設に提出します。
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健康診断書を安くする方法は?
医療・介護を受けるには何かとお金が掛かるため、少しでも出費は抑えたいですよね。
健康診断書の作成に掛かる費用を安くする方法は4つあります。
- 作成料金が安い病院を利用する
- 必要な項目の検査のみ受ける
- 必要な書類の名称を確認する
- 手元の書類でも問題ないか確認してみる
1つずつ解説していきます。
作成料金が安い病院を利用する
主治医がいない場合は、健康診断書の作成料金が安い医療機関を選んで作成する方法があります。作成料金は医療機関によって差があるため、近隣の医療機関の料金を比較してみましょう。
このとき、健康診断書に必要な検査項目が受けられるかどうかの確認も必要です。例えば、胸部レントゲンの検査が必要であるにもかかわらず、受診先の医療機関にCTの設備が無かった場合は、ほかの医療機関で胸部レントゲンのみ実施しなければなりません。
医療機関によって実施できる検査項目は異なるため、書類をスムーズに受け取るためにも検査設備が整った医療機関を選びましょう。
必要な項目の検査のみ受ける
提出先の施設によって、健康診断書に記載すべき項目は異なります。必要ではない検査を受けると、その分料金も高くなってしまうため、必要な検査のみを受けましょう。
無駄な出費を抑えるためにも、提出先の施設にあらかじめ必要な検査の項目を確認しておきましょう。
必要な書類の名称を確認する
健康診断書に類似した書類に「診療情報提供書」があり「紹介状」とも呼ばれます。診療情報提供書は文書作成料金に医療保険が適用されるため、1割負担の方は250円です。
健康診断書の作成料金は5,000円~8,000円であり、健康診断書と比較すると大幅に安くなるため、必要な書類が健康診断書なのか診療情報提供書かをしっかり把握しましょう。
手元の書類でも問題ないか確認してみる
健康診断書は提出先の施設によって、書式が異なる場合があります。複数の施設に提出する場合はそれぞれの施設の書式で医療機関に作成を依頼すると、その都度料金の支払いが発生してしまいます。
そのため、手元に有効期限内の健康診断書がある場合は、ほかの書式のコピーを提出しても問題がないか確認してみましょう。コピーの提出でも可能であれば、健康診断書の作成料金の総額が安くなり、負担は大幅に軽減します。
健康診断書作成時の注意点
健康診断書を作成する際の注意点は、以下の3点です。
- 書類を受け取るまでの期間
- 有効期限がある
- 作成料金に差がある
1点ずつ確認してみましょう。
書類を受け取るまでの期間
健康診断書を受け取るまでの期間は、一般的に1~2週間掛かります。検査の項目によっては、結果が出るまでに時間を要するためです。特に血液検査による感染症の有無は、結果が出るまで1週間程度掛かります。
書類作成を依頼した当日に受け取れないため、提出するまでの日程を考慮して依頼しましょう。
有効期限がある
健康診断書には有効期限があり、およそ3か月(90日)です。作成から時間が経ってしまうと、検査結果の情報も古くなってしまい、健康診断書が必要な時点の健康状態と異なる場合があるため期限が設けられています。
なお、有効期限が過ぎてしまった場合、書類は無効になってしまうため検査はすべてやり直しになります。提出先の施設によって、有効期限が異なる場合もあるため、あらかじめ確認が必要です。
作成料金に差がある
健康診断書は医療機関によって料金に差があり、医療保険が適用されません。全額自費で負担となり、相場は5,000円~8,000円です。
なお、作成するにあたって検査料金も掛かります。検査の種類や項目数によって差はありますが、文書作成料金・検査料金を合わせて10,000円~20,000円が相場です。
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介護サービス利用料の仕組み
介護保険制度はお住まいの市区町村が運営しており、認定された要介護度によって、介護保険から給付される支給限度額が異なります。サービス利用時の利用者の自己負担は原則として1割ですが、所得に応じて3割まで増えます。例えば、1割負担の方が10,000円のサービスを利用した場合、自己負担は1,000円です。
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設などの介護保険施設を利用する場合、1割の自己負担のほかに食費・居住費・日常生活費も合わせて負担します。
医療費・介護費用を安くするには?
所得に応じて、医療費・介護費の自己負担を軽減できる3つの制度があります。
- 特定入所者介護サービス費
- 高額介護サービス費
- 高額医療・高額介護合算制度
それぞれの制度を詳しく解説します。
特定入所者介護サービス費
所得が一定以下の方が介護保険施設に入所する場合、定められている負担限度額を超えた食費と居住費が支給されます。
対象となるのは以下のサービスを利用する方です。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 介護療養型医療施設
- 地域密着型特別養護老人ホーム
- ショートステイ
- 医療型ショートステイ
加えて、次の要件をすべて満たしている方が支給の対象となります。
- 要介護認定を受けている
- 世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が市町村民税非課税
- 預貯金が下記の表の要件を満たしている
設定区分 | 対象者 | 預貯金額(夫婦の場合) |
第1段階 | 生活保護を受給している方等 | 要件なし |
世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者 | 1,000万円(2,000万円) | |
第2段階 | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(非課税年金含む)+そのほかの合計所得金額が80万円以下 | 650万円(1,650万円) |
第3段階(1) | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(非課税年金含む)+そのほかの合計所得金額が80万円超~120万円以下 | 550万円(1,550万円) |
第3段階(2) | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(非課税年金含む)+そのほかの合計所得金額が120万円超 | 500万円(1,500万円) |
預貯金等に含まれるのは、以下の通りです。
- 預貯金(普通・定期)
- 有価証券(株式・国債・地方債・社債など)
- 金・銀(積み立て含む)など、購入先の口座残高によって時価評価額が容易に把握できる貴金属
- 投資信託
- 現金
なお、特定入所者介護サービス費を利用するには負担限度額認定を受ける必要があり、お住まいの市区町村で申請が可能です。申請後に発行される介護保険負担限度額認定証を介護サービスを受けている施設へ提示すると適用されます。
高額介護サービス費
月々の利用者負担額の合計が定められている上限額を超えた場合、払い戻しが受けられます。対象となる区分と定められている上限額は、以下の表の通りです。
設定区分 | 対象者 | 負担の上限額(月額) |
第1段階 | 生活保護を受給している方等 | 15,000円(個人) |
第2段階 | 市町村民税世帯非課税で公的年金等収入金額+そのほかの合計所得金額の合計が80万円以下 | 24,600円(世帯) |
15,000円(個人) | ||
第3段階 | 市町村民税世帯非課税で第1段階及び第2段階に該当しない方 | 24,600円(世帯) |
第4段階 | 1.市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収約770万円)未満 | 44,400円(世帯) |
2.課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満 | 93,000円(世帯) | |
3.課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 | 40,100円(世帯) |
なお、福祉用具購入費や食費・居住費などは対象ではありません。申請期限はサービスを利用した翌月の1日から2年以内であり、お住まいの市区町村で申請が可能です。
高額医療・高額介護合算制度
医療保険の同一世帯で医療保険・介護保険ともに自己負担が発生した場合、合算後の合計が限度額を500円以上超えると払い戻しが受けられます。
定められている上限額は、以下の通りです。
負担上限額(世帯単位)
75歳以上 | 70~74歳 | 70歳未満 | ||
介護保険+後期高齢者医療 | 介護保険+被用者保険または国民健康保険 | |||
年収約1,160万円 | 212万円 | |||
年収約770~約1,160万円 | 141万円 | |||
年収約370~約770万円 | 67万円 | |||
~年収約370万円 | 56万円 | 60万円 | ||
市町村民税世帯非課税等 | 31万円 | 34万円 | ||
市町村民税世帯非課税
かつ年金収入80万円以下等 |
本人のみ | 19万円 | ||
介護利用者が複数 | 31万円 |
なお、申請期限は毎年7月31日の翌日から2年間であり、利用するには医療保険者へ申請が必要です。
老人ホームの費用を安くする方法についてはこちらの記事もご覧ください。
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ピッタリの施設を提案します
健康診断書を安くする方法、医療費・介護費用の負担を軽減させる制度は複数ある
本記事では健康診断書を安くする方法と医療費・介護費用の負担を軽減させる制度を中心にご紹介しました。
健康診断書を作成するには検査が伴い、医療保険も適用されず費用が高額になるケースもあります。医療費・介護費用も積み重なると負担は大きくなるでしょう。健康診断書を安くする方法は誰でも実践できますが、医療費・介護費用を軽減させる制度はそれぞれ対象者が異なります。該当している場合は、ぜひ制度を活用してみてはいかがでしょうか。
断られる場合もあります。多くは感染症や大声を出すなどの認知症、医療行為が必要な場合です。詳しくはこちらをご覧ください。
主治医がほかの医療機関宛に作成する紹介状です。内容は、本人の名前、生年月日、住所、診療の経過、服薬の内容などが主に記載されています。詳しくはこちらをご覧ください。