「居宅療養管理指導の利用を考えているが詳しい費用がわからない」「利用する際の手続きもよくわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、実際にサービスを利用する際の費用や手続きについて介護の知識がなくても理解できるようにわかりやすく解説します。
利用する際の詳しい費用を理解すると、費用に関する不安がなくなるでしょう。また、手続きの方法も解説しているので、手続きについて十分に理解できます。
適切なサービスを利用すると家族の負担も減り、自宅で安心して利用者も生活できます。ぜひ、最後までご覧ください。
居宅療養管理指導とは
居宅療養管理指導とは、要介護の認定を受け、通院が困難な方を対象とした居宅サービスです。
また、担当のケアマネジャーが主治医に相談したうえで、主治医がその方にとって必要と判断した際に利用できる介護給付サービスです。以下の2つについて解説します。
- 居宅療養管理指導の特徴
- 居宅療養管理指導の対象者
それぞれについて具体的にご紹介します。
居宅療養管理指導の特徴
通院が困難な利用者の自宅に医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士や管理栄養士などの専門職が訪問し、可能な限り自宅で安心して過ごすために療養の指導やアドバイスをします。
担当のケアマネジャーが主治医へ相談の元、サービス利用が可能かどうか判断されます。
居宅療養管理指導の対象者
サービス対象者は要介護1以上の認定を受けた方、40〜64歳の方の場合は特定疾病により要介護1以上の認定を受けた方がサービスの対象です。
要支援1または要支援2の方はサービスの対象外です。居宅療養管理指導とほぼ同じ内容のサービスである介護予防居宅療養管理指導を受けられます。
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居宅療養管理指導を受けるまでの5つのステップ
居宅療養管理指導を受けるまでには、以下の5つのステップがあります。
- ケアマネもしくは医師に相談
- ケアマネが事業所を選定
- 事業所の受け入れ状況を確認
- 本契約
- 主治医指示の元でサービス開始
上記がサービスを受けるまでのステップです。詳しく説明します。
ケアマネもしくは医師に相談
居宅療養管理指導を受けるには、主治医の判断が必要です。しかし、まずはサービス内容や利用頻度を決めるためにケアマネジャーに相談しましょう。
主治医に直接相談できますが、ケアマネジャーは在宅での介護サービスの知識が豊富です。そのため、ケアマネジャーに相談する方が、サービス利用までをスムーズに進められるでしょう。
ケアマネが事業所を選定
サービス内容や利用頻度を決めたうえで、実際に訪問する医師や利用者が求めているサービスを提供する事業所を探します。
事業所の受け入れ体制によっては、受け入れが難しい事業所もあるのでケアマネジャーはいくつかの事業所を予め選定しています。
事務所の受け入れ状況を確認
事業所が見つかっても、受け入れができなかったらサービスの利用はできません。、ケアマネジャーが事業所を探している時に、同時に受け入れ状況確認を依頼するといいでしょう。
利用者のニーズに合った事業所が見つかっても、受け入れができなければサービスを受けられません。事務所の受け入れ状況について、事前に確認してもらえるように伝えておきましょう。
本契約
利用者が希望する事業者の受け入れが可能であれば本契約をし利用開始日を決定します。
ケアマネジャーと一緒に契約をするので不安があればその場ですぐに尋ね、契約内容などを十分に確認してから契約に進みましょう。
契約後に、知らなかったなどとトラブルにならないようにその場で解決しましょう。
主治医の指示のもとでサービス提供開始
居宅療養管理指導を利用する際には主治医の許可が必要です。
実際の利用者の状況やサービス内容、利用頻度などを考慮しサービスが必要と判断されれば、サービス提供が開始されます。
居宅療養管理指導で実際にかかる費用は
介護報酬単価の1割〜3割負担です。1回の訪問にかかる料金は、訪問する職種によって違いますが、295円〜560円となっています。
介護保険の支給限度額の対象にはならないので注意が必要です。
居宅療養管理指導は指導であるため、診察や検査、投薬は別途医療費がかかります。職種ごとの利用料金一覧表は以下のとおりです。(R2.8.19時点)
職種 | 単一建物居住者1人 | 単一建物居住者2〜9人 | 単一建物居住者10人以上 |
医師(居宅療養管理指導費Ⅰ) | 509円 | 485円 | 444円 |
医師(居宅療養管理指導費Ⅱ) | 295円 | 285円 | 261円 |
歯科医師 | 509円 | 485円 | 444円 |
薬剤師(医療機関所属) | 560円 | 416円 | 379円 |
薬剤師(薬局所属) | 509円 | 377円 | 345円 |
管理栄養士 | 539円 | 485円 | 444円 |
歯科衛生士 | 356円 | 324円 | 296円 |
参考元:厚生労働省
各専門職が行う指導内容
実際のサービスで各専門職が行う指導内容や訪問回数などを職種別に解説します。
以下のとおりです。
- 診断に基づく健康管理を行う医師
- 療養・介護に関する指導を行う看護師
- 診断に基づく健康管理を行う歯科医師
- 薬の管理方法や服薬指導を行う薬剤師
- 栄養ケア計画に基づいた指導を行う栄養士
- 口腔ケアを指導する歯科衛生士
それぞれのサービスについて具体的にご紹介します。利用したいサービスについて理解し、サービス利用を考える際の参考にしてください。
診断に基づく健康管理を行う医師
利用者の自宅に訪問し、身体状況や精神的状況、療養環境の確認をします。医学的管理に基づいて指導をします。
利用者やご家族にも介護サービス利用の注意点、介護の方法の指導や助言もするため安心です。訪問回数は月に2回までです。利用する際には相談しながら最適な時に利用しましょう。
療養・介護に関する指導を行う看護師
看護職員(保健師、看護師、准看護師)が行う居宅療養管理指導は、平成30年9月30日をもって制度上廃止になっています。
ただし、歯科衛生士が行う指導と同様の指導を行う看護職員は、居宅療養管理指導の対象です。現在は看護師による居宅療養管理指導はありません。
診断に基づく健康管理を行う歯科医師
医師と同様に利用者の自宅に訪問し、身体状況や精神的状況、療養環境の確認をします。歯科医学的管理に基づいて指導をします。
居宅での注意点や助言を受けられるため安心です。訪問回数は月に2回までです。利用する際には相談しながら最適な時に利用しましょう。
薬の管理方法や服薬指導を行う薬剤師
医師や歯科医師の指示の元で服薬の管理や指導をします。複数の医療機関で薬を処方されている時など組み合わせに問題ないか、飲み忘れがないかなどの確認をします。
訪問回数は、医療機関に勤務する薬剤師は月2回まで、薬局に勤務する薬剤師は月4回までであり利用回数が違うので注意しましょう。
ただし、末期癌の方や中心静脈栄養法を受けている方は、週2回で月8回まで利用できます。
栄養ケア計画に基づいた指導を行う管理栄養士
医師の指示の元で、栄養管理をするため栄養ケア計画を作成します。
実際に利用者の生活環境や健康状態を把握したうえで、利用者に合わせた食事内容や食事量、食事形態を具体的に指導します。
訪問回数は月2回まで利用できます。
口腔ケアを指導する歯科衛生士
歯科医師の指示に基づいて、歯磨きや入れ歯の洗浄、食事や嚥下機能に関する指導をします。口腔ケアにより嚥下機能の向上するといつまでも口から食事ができる楽しみを続けられるでしょう。
食事をする際の姿勢や環境は、誤嚥を引き起こす要因となります。適切な指導を受ければリスクを減らせます。
訪問回数は月4回まで利用できます。
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居宅療養管理指導の3つのメリット
居宅療養管理指導のメリットについて以下の3つを紹介します。
- 家族の介護負担を軽減できる
- その時に応じたサービスが受けられる
- よりよい介護が受けられる
それぞれについて具体的にご紹介します。
家族の介護負担を軽減できる
家族であっても介護を担うのは大変です。専門的な知識があるわけではないため、体力的にも精神的にも疲れてしまいます。
居宅療養管理指導のサービスを利用すると専門職が居宅に来て、専門的な指導や助言をもらえます。
病院に利用者を連れて行く場合、自分で車に乗せて行くだけでも一苦労です。居宅でサービスを受けられるのは介護負担の軽減につながるでしょう。
その時に応じたサービスが受けられる
症状が重症でなければ通院を面倒に感じ、通院を後回しにしてしまう方もいるでしょう。
居宅療養管理指導であれば、専門職が居宅に来るためサービスを利用したい時に、指導や助言を受けられます。
高齢者の心身状態は変化しやすいため、ちょっとした悩みでも相談ができ、専門家から的確なアドバイスをもらえるのでご家族にとっても安心です。
よりよい介護が受けられる
ケアマネジャーと事業所で連携してサービスが成り立つので、よりよい介護を受けられます。
利用者の心身状況によって必要なサービスを決定していくため、状況に合わせてその時に最適なサービスを受けられる点がメリットです。
特に栄養管理や口腔ケアなどの介護を担う家族が理解すべき事項も専門家から指導や助言を受けられます。家族が行う介護の質も上がるでしょう。
居宅療養管理指導の3つのデメリット
居宅療養管理指導の利用にはデメリットもあります。以下の3つです。
- 利用回数の制限がある
- 医療行為を受けられない
- 医師・歯科医師の指示が必要
あらかじめデメリットを理解していれば、不安要素が減ります。
利用回数の制限がある
すべての専門職の利用回数には制限があります。基本的には月2回で、多くても月4回の利用となるため、利用回数の制限には気をつけなければなりません。
1回の利用を充実させるためにも普段の健康状態や現状の問題点、不安な点などをその都度メモしておき、専門職がいた際に確認できるようにしておきましょう。
医療行為を受けられない
居宅療養管理指導は、利用者の生活をサポートするための指導や健康管理をするサービスであり、医療行為は受けられません。
そのため、医療行為が必要な場合は往診や訪問診療サービスなど、ほかのサービスを利用しなければなりません。
サービス内容が助言や指導なので医療行為が必要な時にはケアマネジャーに相談しましょう。
医師・歯科医師の指示が必要
医師や歯科医師の指示に基づいてサービスが提供されます。薬剤師や管理栄養士、歯科衛生士がこのサービスが必要と考えてもすぐにサービスに反映できません。
利用者やご家族が希望したサービスでも、医師や歯科医師の判断で必要ないと判断された場合には、そのサービスは利用できません。
事業者を選ぶ際に注意すべき3つのポイント
事業者を探すのはケアマネジャーに依頼しますが、最終的に事業者を決めるのは利用者とご家族です。
事業者選びに失敗しないためにも、注意するべきポイントを3つ紹介します。
- 適切な契約内容であるか
- 利用者や家族の要望に沿ったサービスを提供しているか
- 対応は丁寧か
それぞれについて具体的にご紹介します。
適切な契約内容であるか
契約内容が適切であるかを確認する必要があります。
契約書に、サービス内容や料金、お問い合わせ先、キャンセル時の対応など契約に必要な事項が書かれているかを確認しましょう。
契約内容の確認不足が原因で、事故や問題が発生した時に対応方法が書かれていなかった場合に、事業者とのトラブルの元になってしまう可能性もあります。
利用者や家族の要望に沿ったサービスを提供しているか
事業者を選ぶ際に、利用者やご家族が希望したサービスを提供してるかを確認します。
多くの事業者が適切なサービスを提供していますが、サービスの質が悪かったり、思っていたサービスと違ったりなどのトラブルが起こる可能性があります。
トラブルを未然に防ぐために、契約する事業者がどのようなサービスを提供して、自分たちの希望するサービスと合致しているかを必ず確認しましょう。
対応は丁寧か
利用者への態度や言葉遣いが丁寧かどうかも重要です。
そのほかにも、サービス時間や契約時間を守っているかなども大切なので、対応もしっかりと確認しましょう。
事前にこれから利用を考えている事業者についても下調べをし、口コミや近所の方で利用している方がいれば話を聞きましょう。サービスが開始してから、事業者の対応に疑問を持った際には迷わずケアマネジャーにすぐ相談しましょう。
また「医療ケアが充実した介護施設を探したい」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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ほかにも利用できる同じようなサービス
居宅療養管理指導は基本的に指導や助言が可能なサービスです。サービス利用回数には制限があります。
居宅療養管理指導に似たほかのサービスを併用し、よりよい介護サービスをうけられます。以下の2つのサービスです。
- 訪問介護サービス
- 訪問看護サービス
それぞれについて具体的にご紹介します。
訪問介護サービス
ホームヘルパーが訪問し身体介護サービスと生活援助のサービスを受けられます。
身体介護は入浴介助や食事介助、排泄介助などのサービスです。
生活援助は、掃除や洗濯、買い物、食事の準備など生活に関わるサービスです。居宅療養管理指導よりも、直接生活に関わるサービスであるため、併用して利用し快適な生活を送りましょう。
訪問看護サービス
訪問看護サービスは看護師が居宅に訪問し、健康状態の観察や病状の悪化防止などの対応をします。
主治医の指示の元で医療行為も行います。居宅療養管理指導では医療行為を行ってもらえないため、訪問看護サービスを併用し医療行為を受けられます。ケアマネジャーに相談し利用を検討してください。
居宅療養管理指導にかかる費用を理解し適切なサービスを受けましょう
居宅療養管理指導は専門職が居宅に訪問し、利用者やご家族に指導や助言をするため、通院する負担や介護負担が軽減されます。
利用回数の制限があるものの、1回あたりの費用は比較的低価格なので利用しやすい状況です。うまくサービスを利用し介護負担を軽減し快適な生活を送りましょう。
利用回数を守ればサービスを受けられます。詳しくはこちらをご覧ください。
職種によりますが1回最低料金295円〜最高料金560円です。詳しくはこちらをご覧ください。