「親にグループホームの入居を考えているのだけれど、何歳から入れるのだろう?」
「うちの親はまだ60代なのだけれど。グループホームに入っている方たちの年齢層が気になる」
自分の親や身内の一人暮らしを不安に思い、グループホームへの入居を考える場合もありますよね。
ここでは、介護保険サービスの1つであるグループホームについて、入居できる年齢やそれ以外の条件・そもそもグループホームとはどのようなサービスなのかなどを解説します。
これから親やお身内に、グループホームへ入居してもらいたいと考えている方の参考になれば幸いです。
グループホームに入れる年齢は?
「グループホームって、 年齢条件はどうなっているの?」
こう思う方も、少なくないでしょう。
グループホームには、認知症の人対象の施設とと知的障がいや精神障がい者対象の施設の2種類があり、入居できる年齢も異なります。
この記事で解説するグループホームとは、認知症対応型共同生活介護という介護保険サービス。
つまり、認知症の人を対象にしたグループホームについてお話しします。
40歳以上が入居できる
認知症グループホーム(以下:グループホーム)は、介護保険制度にて運営されている介護保険サービスです。
そのため介護保険を利用できる年齢になれば、条件に応じてサービスの利用、即ち入居が可能になります。
介護保険を利用できる年齢は45歳以上~65歳未満の第2号被保険者と65歳以上の第1号被保険者に分けられます。
介護保険制度を利用できる対象年齢
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
年齢 | 65歳以上 | 45歳以上65歳未満 |
認知症は高齢期に発症することがほとんどであるため、認知症グループホームは高齢者向けの施設と考えられがちで、介護保険制度においての第1号被保険者と呼ばれる65歳以上でないと、入居ができないと思っている方もおられるようです。
しかし、40歳以上65歳未満の第2号被保険者であっても、一定の条件を満たしていれば入居できるのです。
では、グループホームに入居できる年齢以外の条件とは、どのようなものがあるのでしょう。
年齢以外の入居条件は?
認知症グループホームに入居するためには、年齢のほかにいくつかの条件が存在します。
そもそも介護保険サービスですので、利用には介護保険の適用が必要ですが、第1号被保険者は、原因を問わず要介護又は要支援認定を受ければ介護保険サービスを利用できます。
しかし、第2号被保険者の場合は、特定疾病が原因で要介護又は要支援の認定を受けなければ、介護保険サービスの利用ができません。
第2号被保険者の介護保険利用条件 | |
対象者 | 健保組合・国保などの医療保険加入者 |
受給要件 | 要介護又は要支援の状態が、老化に起因する特定疾病である場合 |
保険料の徴収方法 | ・医療保険料と一体的に徴収
・40歳になった月から徴収を開始している |
認知症グループホームの利用条件は、必要な介護保険認定区分を満たし、条件に合った住民票の住所地であり、認知症対応型共同生活介護の名称の通り、認知症と医師から診断された方であるのが必須です。
認知症グループホームに入居できる条件 | |
介護認定区分 | 要支援2、要介護1・2・3・4・5 |
住民票の住所 | そのグループホームのある市町村 |
疾患 | 医師による認知症の診断 |
認知症は介護保険サービスの利用条件である、老化に起因する特定疾病にあたりますので、若年層である第2号被保険者であっても、介護保険サービスの利用が可能であり、すなわち、認知症グループホームの入居対象に含まれます。
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認知症グループホーム入居者の年齢層は?
身内の入居を考えている場合は、楽しく過ごしてほしいと思う方も多いのではないでしょうか。
それには、実際にグループホームに入居している方の年齢層も気になりますよね。
年齢が近ければ、生きてきた背景も似ている場合も多く、気の合う友達ができるかもしれないと考えます。
それでは、グループホームに入居している方の年齢層はどれくらいなのでしょうか。
入居者の年齢層
グループホームに入居している方の年齢層は、70代から90代が多い傾向にあります。
特に75歳以上の後期高齢者からは、認知症の発症率がいっきに増えるため、この年代が多くなるようです。
男女比で見ると女性の方が平均寿命が高いため、高齢の入居者になるにつれ女性が増えます。
反対に、40代から60代といった若い世代の認知症の方は男性が比率が多いため、グループホームの入居傾向も男性が多くなります。
年齢差があったり、異性だと入居者同士仲良くできるか心配な方もおられるでしょう。
しかし、高齢の女性入居者が若い男性入居者を息子のように思い気にかけたり、若い入居者が高齢の入居者の家事を手伝ったりと、入居者同士が世代を越えて助け合う場面も大いにあるのです。
もちろん、ご本人の意思や性格にもよりますが、若いから、男性だからといっても、共同生活にうまくなじめる可能性も高いものです。
グループホームに入る年齢以外のタイミングは?
グループホームに入居できる年齢や条件 を満たしても、どのタイミングで入居を考えればよいかよく分かりませんよね。
ここでは、グループホームに入居をするタイミングを確認します。
介護者が介護を辛いと感じたとき
ごはんの用意をしたり、着替えをしてあげたり、夜中にトイレに連れて行ったり、お風呂に入れたりと介護には休みがありません。
しかし、日本では家族が家族の面倒を見るのが当たり前といった考えが根強くあり、介護が辛いと感じても施設入居に抵抗を感じる場合も少なくありません。
介護疲れから介護虐待や介護殺人を引き起こす場合もあり、決して他人事ではないのです。
介護はスキルを必要とし、特に認知症の介護には高い専門性が求められます。
プロの手を借りる選択肢を見失ってはいけません。
特に認知症のお身内の介護というのは、ご本人の認知症以前の姿を見てきただけに、さまざまな症状を見るのが耐えがたく感じたり、なんとか認知症でなかったころの姿を取り戻そうと無意識に期待していたりして、介護そのものの身体的、経済的負担以上に、精神的な負担が大きいものです。
まだまだ体は介護を頑張れると思っていても、心が悲鳴を上げていることもあります。
そこで無理をして介護を続けるのは、ご家族にとってももちろん、ご本人にとっても辛いことではないでしょうか。
限界だから施設入居を考える、限界まで耐えるではなく、まだ限界が見えないうちに、前向きな未来を考えて下さい。
介護者がそばにいないと危険なとき
認知症の症状はさまざまです。例えば、鍋を火にかけっぱなしにしてしまったり、財布を盗られたと訴えるなど被害妄想に陥ったりします。
なかには振り込め詐欺などの、金銭トラブルに巻き込まれる場合もあります。このような状況で、いくらデイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用したとしても、そのほかの時間帯の不安は解消できません。
しかし、介護をする家族や身内には、それぞれの生活もあり、四六時中そばについて見守ることはできませんよね。グループホームには、認知症介護に特化した職員が配置されています。
専門知識を持ったプロのいるグループホームで、24時間切れ目のないケアを受けられれば、認知症の方もその家族も安心な生活を送れるのです。
認知症の進行が不安なとき
認知症が進行すると、今までのような日常生活が送れなくなっていきます。
自宅の管理・金銭の取り扱いはもちろん、掃除や洗濯などの家事や排泄・入浴・歩行など日常の生活行為が難しくなってしまい、生活が続けられなくなるのです。
そうなれば、何らかのトラブルに巻き込まれたり警察のお世話になったりする場合もあります。認知症の方の生活はもちろん、介護者である家族の生活も影響するため、不安は高まる一方です。
今までのような関わり方では対応ができなくなり、このままではどうなってしまうのだろうと不安に思ったら、グループホームに入居を考えるタイミングなのではないでしょうか。
認知症の専門性の高いスタッフが配置されたグループホームで、自由と尊厳を保ち、その方らしく生活を送れれば、将来への不安が軽減され安心した毎日を送れます。
介護に追われ介護者自身の生活が成り行かなくなったとき
認知症の方の介護をするようになると、介護者である家族の日常生活にも変化をもたらします。認知症の症状が進んでくると、どんどん目が離せないことが多くなります。
夜中に起きて出て行ってしまい帰れなくなって警察に保護されたり、近所の方とトラブルを起こしたり、その度に介護者である家族に連絡があって対応しなければなりません。
そのうち、介護のために仕事を頻繁に休んだり辞めたりしなければならない状況に陥ってしまいます。介護者自身の生活を守るためにも、そうなる前にグループホームへの入居を考えた方がよいでしょう。
切羽詰まった状況ならば、地域の介護の悩み全般に対応している地域包括支援センターに相談すれば、然るべき対応をとってくれるはずです。
家族だけで抱え込まず、プロの手を借りるようにしてください。
グループホームの利用時の注意点
いざ、グループホームの利用をと思ったら、入居に向けて注意しなければならないポイントがいくつかあります。
グループホーム選びに失敗しないためにも、しっかりと押さえておきましょう。
基本的な入居条件を満たしているか
前述のとおり、年齢をはじめ、介護度であったり住所地であったりと、それらの基本的な条件を満たせているか確認しましょう。
条件が満たないのに「入居してしまった」といった場合はまずあり得ませんが、探している時間などの労力が無駄になってしまいます。
自分の身内の条件に当てはまるグループホームなのか分からない場合は、地域の包括支援センターに問い合わせたり、担当ケアマネジャーがいればその方に確認したりすれば、間違いないでしょう。
入居にかかる費用はどれくらいか
グループホームは有料老人ホームなどと比べれば費用が安い傾向にありますが、予算内で毎月支払いができるのか確認が必要です。
ホームページやパンフレットで「月々〇万円」と謳っていても、その内訳や別途費用には注意が必要で、光熱費が別途必要であったり、外出時には付き添い費用が発生したり、消耗品代がかかったりするグループホームもあります。
また、入居時に敷金や一時金が必要な場合 も。料金設定が複雑になっている場合も多いので、実際にどれくらいかかるのか確認するのは大切です。
また、生活保護受給者を受け入れているグループホームもあり、料金設定が一般と異なる場合もあります。更に、料金設定は介護保険負担割合を1割負担の方に合わせて表示している場合がほとんど。
グループホーム自体が介護保険サービスであるため、介護保険の負担割合が2割や3割の方は、自ずと費用が増えます。
総合的に支払いが可能な金額なのかをしっかりと確認しておきましょう。
介護の質はよいか
大切な家族や身内を預けるわけですから、しっかりと関わってもらえるか心配ですよね。
最初の見学のときだけ・家族がきているときだけ、よい対応をする場合もあるため、普段から質の高い介護を提供しているか見極めるのが重要です。
例えば、スタッフの私語が多いようなグループホームは要注意です。入居者よりもスタッフがその場の主役であることが多く、相対的にスタッフの力が強く、生活においてスタッフの都合を優先してしまうなど、質の高い介護を受けられない場合があります。
また、入居者に対する言葉遣いやプライバシーの配慮などができているかもポイントです。
いくら設備がよいグループホームでも、介護の質はスタッフの対応で決まるといっても過言ではありません。
雰囲気が合うか
グループホームによって、それぞれ特長があるため雰囲気に合うか事前に確認しておく必要があります。
活気のある人が多く、集団でアクティブな活動が多い施設もあれば、お一人お一人のペースでゆったりと過ごすことを重視する施設もあります。
できるだけ外出したい、家事に参加したいなど、ご本人がどのような生活を望むかも重要です。。
生活スタイルや雰囲気に合っているか見極めて、その方らしい生活を送れるようなグループホームを探しましょう。
まとめ
認知症の方が生活をするグループホーム。そのグループホームに入居できる年齢は40歳以上です。
年齢だけではなく、要支援2又は要介護1から5の介護保険認定やグループホームのある地域に住所があるなど、そのほかにも入居条件はあります。
グループホームには、認知症に対する専門的知識を持ったスタッフが配置されています。
親や身内など、あなたのまわりの40歳以上の方で「認知症かな」と感じたり、介護が大変になったとき、グループホームに問い合わせてみましょう。
それまで大変だった生活も落ち着きを取り戻し、本人も家族も安心した生活を送れるかもしれません。
40歳以上が入居可能です。但し、年齢以外にも入居できる条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。
上限はありません。ただし、ご本人に高度な医療的対応が必要になる、常時車いすを利用するようになり設備上の普通合があるなど、ミスマッチが出てくれば、転居を検討する必要があります。最近では、地域包括ケアシステムの観点から看取りに力を入れているグループホームも増えてきました。詳しくはこちらをご覧ください。