• 認知症
  • 【公開日】2023-02-21
  • 【更新日】2023-02-21

認知症予防の食べ物はある?食事方法や注意するべきポイントを解説

認知症予防の食べ物はある?食事方法や注意するべきポイントを解説

認知症を予防する食べ物は何か、気になりませんか?実は、認知症予防に効果が期待できる食べ物があります。その一方で、認知症のリスクを上げてしまう食べ物もあります。

そこで今回は、認知症予防に効果が期待できる食品を紹介します。もちろん、認知症のメカニズムや食べ方、注意点なども解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

国家公務員共済組合連合会 大手前病院 救急科 医長
所有資格:日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医、日本救急医学会認定ICLSコースディレクターなど
専門分野:心臓血管外科、急患科、 脳神経外科、総合内科,、総合内科、整形外科など

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科を卒業後、2012年より国立病院機構大阪医療センターで心臓血管外科医員として従事する。 現在は国家公務員共済組合連合会大手前病院で救急科医長を務める。 専門分野は心臓血管外科をはじめ、急患科、 脳神経外科、総合内科,、総合内科、整形外科など多岐にわたる。 主な研究内容・論文として「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」(執筆者)などがある。詳しくはこちら

所有資格:一般社団法人 薬機法医療法規格協会 薬機法医療法遵守広告代理店認証
専門分野:化粧品や健康食品における広告表現
職業: 薬機法管理者

2003年からヘルスケア情報サービス事業・治験支援事業を行っている企業にて、主にDTC広告の企画営業に携わる。 4年ほど企画営業を担当後、自社のヘルスケアサイトの運営、製薬会社・健康食品メーカーの記事広告の制作を行うが、この時に薬機法(薬事法)についての知識を学び、広告記事の精査を経験。 2017年退社。現在は臨床研究の支援を行う企業にて研究事務局支援に携わる。東京在住。 現在は本業の傍ら化粧品や健康食品の企業の広告等の薬機法チェックを行う。詳しくはこちら

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認知症とは

認知症とは、記憶や言語、思考などの認知機能が低下することの総称です。加齢や病気によって脳に障害が起こることで発症し、一般的に65歳以上の人が経験すると言われています。

厚生労働省の発表によると、現在80代後半の男性35%、女性44%は認知症と推測されています。

95歳を超えると男性でも51%、女性では84%という高い割合で認知症を患う方が多いです。

出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター

認知症が進行すると、日常生活を自立して行うことができなくなり、家族や介護者のサポートが必要になる場合もあります。

認知症は単一のタイプではなく、いくつかの異なるタイプがあり、それぞれ異なるプロセスによって引き起こされます。一般的に、認知症は認知過程や記憶の障害、行動や性格の変化を特徴とします。

認知症の原因は「アミロイドβ」

アミロイドβという成分は、認知症の原因として注目されています。このタンパク質は体内で生成され、新しい記憶の形成や学習など、重要な認知機能に関与していると考えられています。

これは老人斑のほとんどを構成するタンパク質であり、特にアルツハイマー型認知症との関係が高いです。

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認知症の発症は、アミロイドβが20年以上溜まり続けることが原因といわれています。ただしこれは仮説であり、実際のところ正しい原因は解明されていません。

また基本的にアミロイドβは健康な人の身体にもあるものですが、通常は自然に体外へ排出される仕組みです。しかしアミロイドβ同士がくっついてしまうことがあり、この結合した成分が体内へ残ると認知症になる可能性が高くなります。

2022年現在では、無害であるアミロイドβが正常に分解できていないことが認知症への原因ではないかといわれています。

 

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認知症の種類

先述したアルツハイマー型認知症のように、種類がいくつかあります。

ここでは、以下の3つについて解説します。

  1. 血管性認知症
  2. レビー小体型認知症
  3. 前頭側頭型認知症

すべて認知症の種類ですが、特徴が異なるため確認しておきましょう。

血管性認知症

血管性認知症は2番目に多い認知症で、脳への血流が滞ったり低下したりすることで起こります。血管性認知症の症状としては、言語、注意力、判断力、記憶力などに問題があります。

感情のコントロールが効きにくいことや、男性に多い病気というのも特徴です。また男性に多い脳卒中を繰り返すと、血管性認知症の症状が一気に進行します。

そのため、血管性認知症の方は脳卒中の再発予防に取り組む必要があるでしょう。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、他の認知症とは異なり、脳内にレビー小体と呼ばれるタンパク質が沈着することによって起こります。

レビー小体型認知症は、脳内のレビー小体というタンパク質の沈着が原因となり、脳内の化学伝達物質を阻害し、思考力の低下や注意力の低下、性格の変化、混乱などを引き起こします。

レビー小体型認知症は、数分から数日の感覚で認知能力が変動するのが特徴的です。血管性認知症と同様、男性に多い病気といわれています。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉の変性によって引き起こされるまれなタイプの認知症です。前頭側頭型認知症の症状は様々ですが、一般的には行動の変化、運動障害、言葉の変化などが見られます。

症状も様々で、人によっては無関心になったり、反社会的な行動を取ったりします。言葉が出にくくなるのも特徴の一つです。

また前頭側頭型認知症は、65歳未満でも発症することでよく知られます。指定難病に認定されていて、比較的若い方でも患う認知症です。

認知症のリスクを上げてしまう食べ物

認知症のリスクを上げてしまう可能性のある食品はいくつかあります。

例えば、ファーストフード、ジャンクフード、甘い飲み物など、糖分や飽和脂肪酸を多く含む食品です。これらの食品は脳に悪影響を与えるため、認知症の発症に直接影響を与える可能性があります。

さらにトランス脂肪酸や精製された炭水化物、水素添加油などを多く含む食品も、認知症の発症を助長する可能性があります。

認知症のリスクを上げてしまう食べ物としては、以下が挙げられます。

  • 赤身肉
  • マーガリン・ラード
  • 菓子パン
  • 過度な飲酒

認知症の予防になる食べ物

一方、認知症の予防に効果的な食品は、抗酸化物質(野菜や果物など)、オメガ3脂肪酸(魚など)、食物繊維(全粒粉など)を多く含む食品です。

このような食品はアミロイドβによるダメージから脳を守るのに役立ち、認知症の発症を遅らせたり予防したりできる可能性があるのです。

例えばサケ、サバ、ニシン、イワシにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。これらの脂肪酸は、脳を活性化し、炎症を抑制する働きがあります。

また、くるみ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツなどのナッツ類は、必須脂肪酸や栄養素が多く含まれており、おすすめです。

他にもほうれん草やケールなどの緑の葉野菜には、細胞の損傷を防ぐ抗酸化物質の一種であるカロテノイドが豊富に含まれています。ブロッコリーや豆類などの食物繊維の多い食品は、体内のコレステロールや有害物質の排出を助け、健康な脳の働きに貢献します。

これらは、認知症予防に効果的な食品のほんの一例です。高齢者の体調に配慮しながら、バランスの良い食事を摂ることが必要です。

 

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認知症予防になる食事の方法

ここからは認知症予防の食べ物ではなく、食事の方法にフォーカスして紹介します。

今回紹介する認知症予防の食事方法は、以下の3つです。

  • 糖分を控える
  • バランスのとれた食生活
  • 地中海食や和食を中心にする

それでは、認知症予防になる理由を解説します。

糖分を控える

砂糖は糖尿病や肥満、その他の病気のリスクを高めるなど、体にさまざまな影響を及ぼします。

さらに砂糖は脳内の炎症と関係があり、認知症のリスクを高めるといわれています。したがって砂糖の摂取を制限し、甘いものを食べたい欲求を満たす他の方法(果物、野菜、天然甘味料など)を見つけることが重要です。

また成分に注意し、砂糖に関連する食品の加工度が低いものを選ぶことも重要です。

バランスのとれた食生活

認知症の予防には、バランスのとれた食事が重要です。ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物、健康的なタンパク質、健康的な脂肪など、栄養豊富な食品をいろいろと食べることが大切です。

また加工食品や甘いものを制限することで脳の炎症を抑えることができ、その結果、認知症のリスクを減らすことができます。

さらにバランスのとれた食事をすることで、脳が正常に機能するために必要な栄養素を摂取することができます。

地中海食や和食を中心にする

地中海食はビタミン、ミネラル、健康的な脂肪をたっぷり含み、心臓病やその他の慢性疾患のリスク低減につながるとされています。幸いなことに、この食事は認知症のリスクも減らすことができます。

さらに魚や野菜を中心とした和食は、抗酸化物質が多く含まれているため、認知症のリスクを下げる効果があることが研究により明らかになっています。

認知症の人の食事で気をつけるポイント

ここからは、認知症の食事で気をつけたいポイントを3つ紹介します。

  • 異食
  • 過食
  • 小食

認知症を予防するという意味でも、健康な人にも取り入れてほしい食事のポイントです。

異食

同じものをひたすら食べる方は、栄養バランスが崩れがちです。しかし何も食べないよりは、食べられるものから進めてみるのが良いでしょう。

野菜などを細かく切って、好みの料理の中に混ぜるなどの工夫が大切です。

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過食

分量のコントロールも重要です。摂取しやすいように少量の食事を提供することが大切です。

また他の人と一緒に食事をすることで、食事がより楽しくなり、食べ過ぎのリスクも軽減されます。

過食の場合、高齢者の消化能力では処理しきれず、嘔吐する可能性もあります。食べ過ぎないよう注意し、過食してしまった場合は経過を見守りましょう。

小食

食べることが苦手な方の場合、毎回の食事を楽しいものにすることが大切です。

野菜や果物、魚など色とりどりの食事を提供することで、食欲を増進させることができます。

なかには1度の食事量が少ないだけの方もいます。そういった場合は、1日の食事回数を多くし、なるべく栄養が取れるようにしましょう。おやつを使ったゲームなども効果的です。

認知症の方へ食事を促すときのポイント

認知症の患者さんに食事を促すコツは、いくつかあります。

今回紹介するのは以下の3つです。

  • 無理に食べさせない
  • 料理をする方の場合はそばで見守る
  • 複数人で食事をする

認知症の方でも、自分の意思で食事をしているということを念頭におきましょう。

無理に食べさせない

無理に食べさせようとすると、反対されているような気がして食べたがらなくなることがあります。

認知症の方でも自主性を尊重し、あくまでもサポート側に回る意識を持つべきです。

したがって無理に食べさせるのではなく、様子を見ながら徐々に食べられる量を増やしていきましょう

料理をする方の場合はそばで見守る

その人が料理をする人であれば、見守ってあげましょう

例えば認知症の方は料理の調味料の入れ方は覚えていても、コンロの消し方を忘れてしまうことがあります。

無理に手出しをすると、認知症の方は興奮してしまう可能性があります。必ずそばで見守る姿勢を保ちましょう。

複数人で食事をする

食事は複数人でしましょう。これは食事の時間を、交流の時間にするのです。レクなどを交えて、食事が楽しいことを認知症の方に伝える意識をしてみてください。

誰かが一緒に食事をしていれば、認知症の患者さんも食事をするようになるかもしれません。

認知症の予防に良い食べ物・悪影響を及ぼす食べ物を理解しよう

今回は認知症の予防に良い食べ物とリスクのある食べ物について紹介しました。認知症の原因から知ることで脳に悪影響を及ぼす食べ物を理解できたのではないでしょうか。

認知症の原因といわれている、アミロイドβについては現在様々な機関で研究が続いています。

認知症に対する治療方法も徐々に進化していますが、まずは日々の生活の中から予防ができるように意識していきましょう。

また認知症予防のために悪影響を及ぼす食べ物を食べないという選択肢は、偏食の原因となります。健康的バランスよく食べることを意識して、認知症にならないよう対策していきましょう。

認知症の高齢者は、何をどう食べたらいいのかを正しく理解し、健康維持に努める必要があります。人にはそれぞれ個性があり、すべての高齢者に同じ食べ方が効果的とは限りません。

そのためにその人の体調や食習慣をよく観察し、長期的な視点で考えることが大切です。

認知症の種類は?

認知症の種類には、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の3つがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

認知症予防になる食事の方法は?

糖分を控え、バランスのとれた食生活を送ることが重要です。また地中海食や和食を中心にすると、認知症予防に効果が期待できます。詳しくはこちらで解説しています。

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